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夜間中学その日その日 (235)   守口夜間中学  白井善吾

夜間中学を必要とする人にどのように届けるか
夜間中学がまだまだ知られていない。私たちが、各地域の教育委員会を訪ね、窓口の担当者と話しても、そうであるから、一般の人々においては押して知るべしである。そして、義務教育未修了者に夜間中学があることを届けることはさらに難しい。夜間中学生募集は大阪では4月末と9月1日から10日までだ。


先日も入学希望者が3人来校した。電話がかかり、話を聞いて、学校に来ていただく場合が多い。この日も、5時の来校と約束したのだが、時間が過ぎても来校がない。ちょうど出張から帰ってきた教員が、そのことを聞きつけ、校門付近で立っておられた人がいた、その人ではないか。急いで校門に駆けつけ、電話で聞いていた名前を申し上げると、不安いっぱいの顔が安心したように笑顔に変わった。
入学希望者は初めて顔を合わせた夜間中学の教師に、この日までの胸につかえた学びへの思いを一気に語られることが多い。この日もそうであった。学ぶことのできなかった、口惜しさを、半生を、目を潤ませ語っておられた。この時の聞き取りは重要で、教員間で報告をし、共通理解をしている。
義務教育未修了の人たちに、夜間中学で学べることをどのように届けるか夜間中学ではいろいろと議論している。これまでにおこなったのは、街頭で募集ビラを配る。FMの地域放送に生出演して語る。テレビ・ラジオの番組に出演する。新聞の取材を受ける。新聞の投書欄に投稿する。就学援助・補食給食復活の街頭署名活動。公共施設に夜間中学生募集のポスターの掲示。お風呂屋さんや京阪電車の掲示板にポスターの掲示。公立図書館に夜間中学の出版物を寄贈したり、購入を要請する。部落解放文学賞識字部門に応募すること等だ。
自分たちで本を出版して、夜間中学を拡げることも実行した。『学ぶたびくやしく 学ぶたびうれしく』(解放出版社)、『不思議な力 夜間中学』(宇多出版企画)、『守口夜間中学その学び1~3集』(自費出版)、『守口夜間中学校開設30年と生徒会活動』(自費出版)、『夜間中学生 133人のメッセージ』(東方出版)などである。夜間中学生は獲得した文字とコトバで自分史を綴り、学ぶ喜びを文字にした。そして夜間中学がいまあることの意味を訴えた。
夜間中学を積極的に公開するとりくみも行なっている。昼の学校で学ぶ、小・中・高そして大学生、一般社会人、保護者、教員、行政担当者、研究者などさまざまだ。夜間中学生が学校現場に出向き、子どもたちと語らいをすることもある。修学旅行で訪れた中学生と長年にわたって、手紙のやりとりをしていることを知った讀賣新聞島根支局から取材があり、夜間中学の記事を掲載した。
新聞の声の欄への投稿は守口ではこれまでに教員、夜間中学生、あわせて4回ある。産経新聞 夕焼けエッセ―に「私は夜間中学生」(2011.11.24夕刊)の一文を投稿したことを学校が知ったのは掲載日の数日前。「新聞社から掲載すると連絡がありました」と担任に話があった。このエッセーが月間賞に続き、年間賞に選ばれた。先日、夜間中学生に連絡があり、取材があった。近々その記事が掲載されるという。
600字の制限字数にどう夜間中学を表現するか。苦労したと夜間中学生は話していたが、なかなかの文章だ。書き出しがすごい、「 我が家の晩ご飯を4時に食べるようになってから、はや2年が過ぎました。私はいま夜間中学に通っています。午後5時40分から始まる授業に間に合うよう、いそいそと準備をします。・・」 夜間中学の補食給食への府補助がなくなり、補食給食は廃止されたことを、記している。
夜間中学を必要とする人たちに夜間中学を届けることができるか、夜間中学生のとりくみは今も続く。
[ 2012/04/27 09:57 ] 寄稿 | TB(-) | CM(-)


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