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夜間中学その日その日 (231):   守口夜間中学  白井善吾

2011年度 学年末
補食給食が打ち切られた後も守口夜間中学では工夫を凝らして、給食を行う努力を続けている。彼岸の5日目の3月21日、牡丹餅を作って食べようということになった。もち米とうるち米を6:4に混ぜ炊いていると、廊下を歩いていた夜間中学生「懐かしいもち米の匂いや。先生、今日は何できるんですか?」部屋を覗き込んで、このように、質問をした。


小豆餡ときな粉がついた牡丹餅が出来上がった。にわか食堂となった図書室では「ボタンの季節に食べるから牡丹餅。萩の咲く季節に食べるのがおはぎ」「へーえ、大きいのがぼたもちで、小さいのがおはぎとおもっていた」「ちょうどお彼岸や」「仏さんにお供えし、それから食べていました。おばあちゃんの味を思い出します」「学校でこんなん、いただけるとは」「こんなん作るんやったら、私らに声掛けてくれはったらよかったのに」「ほんまや、勉強より、こっちのほうがずっと得意や」
苦肉の策で生まれた、ミニ食文化交流は夜間中学生の国際交流の場となり、このように笑い声が響く給食時間である。「明日はお米が残っているので、小豆粥を食べます」「それやったら、休まずにきます。(笑)」
翌、22日はあいにくの雨、北風が吹きぬける寒い日であった。淀川の堤防で採ってきたという、土筆の佃煮がお皿に盛り付けられている。「懐かしい」「この苦いのがおいしい」「はかまを取るのが大変、手間がかかるのにね」「中国では食べたことありません。何ですか?」「小豆の香りがよろしいね」「お粥の味付けもすばらしい」「体がよく温まります」「タイでは朝はいつも食べていました」・・テーブルでは、会話が弾んでいる。

2012年3月23日、守口夜間中学は2011年度修了式を迎えた。教室からは「そんなに速く、地球を回さんでもええのに」そんな冗談が飛び出し、大きな笑い声が行きかう。卒業を迎えた後も、この日まで学び続けた朴さんは廊下で顔を合わすともう涙目だ。「病気、入院、いろんなことがあっても、夜間中学に通い、学ぶことが生きがいでした・・」識字部門で解放文学賞を受け、その賞金で購入した時計から1時間ごとに流れる音楽のメロディーと涙声が重なって聞き取れない。いよいよ2011年度学年末だ。

夜間中学その日その日229「JICA成人識字研修IN守口」で報告した内容の新聞報道があった。「アフガンやパキスタンから大阪の夜間中学視察・暗くても学ぶ喜び 識字教育充実の一助に 戦争が奪った知る機会」毎日新聞「特集ワイド」(2012.03.28夕刊)。


[ 2012/03/29 08:45 ] 寄稿 | TB(-) | CM(-)


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