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なぜ急ぐ原発再稼働:片山通夫

 政府は関西電力大飯原発の再稼働を認めるようだ。福島の大事故から一年、安全神話がもろくも崩れ去った今、急ぐ理由が見当たらないのだが、野田政権は何かに憑かれたように「再稼働」への道を走ろうとしている。

再稼働へ 
再稼働へのハードルを出来るだけ低くするために、藤村修官房長官は16日午前の記者会見で「定期検査で停止中の関西電力大飯原発3、4号機の再稼働に関し、滋賀県は同意が必要な地元に含まれないとの認識を示した(産経新聞)」という。何とも姑息な論理だ。

一方、滋賀県の嘉田知事は「全く理解できない。政府は福島の原発事故をどう思っているのか、UPZをなぜ広げたのか。京都や関西広域連合とも連携し、官房長官、最終的な責任が首相なら首相に説明を求めたい」と怒りをあらわにした。

なぜこのような事態になったのかは不明だが、次のような理由が考えられる。
1 夏場の電力不足を訴える電力会社、雇用や原発マネーの恩恵に浴したい地元産業、電力不足を恐れる経済界などの突き上げが大きい。
2 原発の廃炉という悪夢は見たくない。廃炉ともなると莫大な費用と時間がかかる。
ちなみに、原発一基の廃炉費用は、実際に今廃炉作業が行われている東海原発出力16.6万kwの場合、解体に約350億円、廃棄物の処分に約580億円、計約930億円だと見積もられている。また廃棄物の処理すべてには、20兆円という費用がかぶさってくる。廃炉にしたくない理由は経済的な問題だ。

耐用年数40年
 また政府は原発の耐用年数を40年と区切った。しかしこの40年という期間は、原発が安全に運転できる期間だという保証はない。それよりも電力会社の40年もの長期間使い続けることによる経済的な理由のほうが大きい。ご存じだとは思うが、当初は減価償却の終わる「法定耐用年数」16年だった。しかし初期費用が莫大な原発は16年で廃炉にするには電力会社としては忍びない。そこで経産省は40年という期間でコスト計算するよう改めたという経緯がある。つまり、他の発電方法よりも安いというイメージ造りから40年という期間を割り出したとしか思えない。経済性を有利にするための詭計だ。
以上の点から、筆者には「なぜ政府は国民の生命。財産と引き換えになる危険が伴う再稼働を急ぐのか」が理解できない。
 
電力不足は本当か?
さて政府や電力会社が再稼働を急ぐ大きな理由の一つに、夏の電力不足というブラフがある。昨年東京電力のサービスエリア内で「計画停電」なるものがなされた。しかしその結果、実際は必要なかったと検証済である。それでは今年はどうなのか?
少し長いがテレビ朝日系ワイドショー「モーニングバード!」をウオッチしている「ワイドショー通信簿」から以下(イタリック体)に引用する。

経産省のチームが出したものは、需要が1億7954万キロワット、供給力1億6298万キロワットで、差し引き1656キロワットの不足(9.2%)となっている。一方、民間チームの結果は需要が小さく、供給力が大きいから、1006万キロワットのプラス(6%)だ。民間チームにはもうひとつの予測があって、それだと差し引き482万キロワット(2.8%)のプラスだった。
なぜこんな違いがあるのか。経産省チームの試算には再生可能エネルギーが含まれておらず、火力発電所が定期点検することになっていたり、需要を猛暑の2010年の数字にしたりと、極端な設定で需給を恣意的に逼迫させている疑いが強い。
 

最後に
  この稿を書いている2012年3月25日、朝日新聞が朝刊で次のような記事(イタリック体)を掲載した。

「福井県原子力委員に1490万円 電力側、5人に寄付」
 原発の安全性を審議する福井県原子力安全専門委員会の委員12人のうち、4人が2006~10年度に関西電力の関連団体から計790万円、1人が電力会社と原発メーカーから計700万円の寄付を受けていた。


 こうした寄付に関して当事者は「寄付の影響が判断に及ぶことはない」としている。しかし、まさか「多額の寄付をもらったから、寄付者の意図を忖度して判断する」とは言わない。

 野田政権は再稼働を急いでいる。その裏に何があるのか今のところ不明だ。うがった見方をすれば、事故調の報告が出てからでは「再稼働はとても無理」という結果になりかねないからではないかとさえ思ってしまう。
 この夏の電力不足をアピールすることにより、何がしかの、それは決して金銭だけにとどまらない利益が得ることができるからだとしか思えない。国民を人質にとって再稼働を急ぐにはそれなりの理由がなければならない。今後それを調査できればと思う。

参考URL
全ての原発が停止する場合の影響について(気候ネットワーク)
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/tyoki/sakutei/siryo/sakutei9/siryo2-2-2.pdf
原子力教育を考える会
http://www.nuketext.org/index.html
ワイドショー通信簿
http://www.j-cast.com/tv/2012/02/02120905.html?p=all
朝日新聞
http://www.asahi.com/national/update/0325/OSK201203240241.html
[ 2012/03/25 13:30 ] 片山通夫 | TB(-) | CM(-)


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