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日曜新聞書評欄簡単レビュー:三室 勇

大飯原発再稼働阻止を訴える現地集会が福井市中央公園(県庁横)で、今日25日、午後1時から行われる。ドイツZDFのTVドキュメント「フクシマのうそ」では、特にフクイチの4号機は大きな余震に絶えられない脆弱な状態だという。

4号機建屋上部の貯蔵プールには千数百本の使用済み核燃料棒が収蔵されている。まさに空中楼閣プールに核燃料棒が保管されている状態だ。もし、そこに亀裂あるいは崩落が起これば、水は抜け、むき出しの状態となり強い放射能で人間が近づけないことになる。汚染は拡大し、東京圏さらに以西まで及ぶ。そんな危機的な状態でありながら、その対処はいまだ行われていない。いうなれば地震が起こらないことを祈るカミだのみ状態である。一刻も早い対処を行うべきで、再稼働などもってのほかだ。
今週も日曜日恒例の新聞書評欄から。

朝日――
金川英雄『日本の精神医療史 明治から昭和初期まで』(青弓社、2100円)、評者・斎藤環。著者には『精神病院の社会史』という共著がある。精神科医で大学講師などを務め、「精神看護」「日本病跡学雑誌」「日本社会精神医学会雑誌」などに日本の精神医療史関連の文章を書いてきた。評者は類書の中でも飛び抜けてユニークだとして、その特異点をあげている。1つが精神医療を隔離・監禁の歴史として辿っている点、もう1つは朝鮮半島に西洋医学が導入される歴史を取り上げた点だという。後半の視点は興味深い。韓国ドラマ「済衆院(チェジュンオン)」という19世紀末韓国に西洋医学が導入されて医学校が設立される。その経緯を扱った歴史ドラマがあった。本書は、韓国が精神医学をどう受容したかを知る手立てになる。
前半の隔離・監禁については、長く座敷牢に閉じ込める風習がつづいた日本に西洋の精神医療導入した医師たち(呉秀三ら)はどう闘ったかということになるが、かわりに人里離れた奥地に精神病院が建てられ、収容される時代が長く続き、その後遺症がいまでも残っているということらしい。

毎日――
佐々木睦『漢字の魔力――漢字の国のアリス』(講談社選書メチエ、1680円)、評者・藤森照信。他に京都は評者・今井聖、日経は加藤徹と3紙で扱っている。藤森評では、日本の言霊を例に、中国では字霊に相当する文字に特別な力が宿っている考え方があるとまず前置きして、この本は字霊考現学とでも呼べる本と紹介している。そうした例の1つに字の書かれた紙を敬う物神崇拝、「惜字」について書いている。文字の書かれた紙を粗末にしないことで、路上にそうした廃紙を見つけたら、拾ってきれいに汚れを取り、燃やすか、大河に流す風習があった。この考え方は唐代からあり、19世紀に入り各地に「惜字会」運動が起こってくる。紹介されている1873年の上海の新聞「申報」に、女学生が便所で字のある紙を使用し、雷に打たれた記事が載っていたという。ところで藤森評では副題の「アリス」には全くふれてない。そこで今井評を読むと書かれていた。1920~30年代に中国語訳「不思議の国アリス」が出版される。その登場人物や架空の動物などの漢字訳の工夫や想像力に満ちた訳がここでは紹介されているらしい。加藤評も「アリス」には言及していなかったが、面白い企業名の漢字訳をあげていた。サントリーは「三得利 サンドァリィ」、ユニクロは「優衣庫 ヨウイークゥ」、コカコーラは「可口可楽 クーコウクーロァ」ベンツは「奔馳 ベンチー」など、字面をみていると確かにうまいと感じる。

京都――
クリスティアン・アングラオ『ナチスの知識人部隊』(河出書房新社、3360円)、評者・池内紀。ナチス体制は12年間続いた。その間、SS(ナチス親衛隊)、SD(親衛隊保安部)、BSHA(国家保安本部)が国家統制の部隊として働く。そこには美男で知的な若者たちが集まっていた。こうした「知識人部隊」が変質し、ユダヤ人虐殺へと進んでいく。そうしたメンバーの中から80人を選んで、裁判記録などを調べ上げたのが本書のようだ。
いま大阪維新の会へ、この閉塞の時代を打つ破る期待をもって集まってくる若者たちがいる。本書はなにか二重写しになってくるような悪い予感のようなものを感じされる本でもある。
[ 2012/03/25 09:20 ] 三室勇 | TB(-) | CM(-)


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