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夜間中学その日その日 (230):   守口夜間中学  白井善吾

夜間中学生の胸を借りる
 守口夜間中学では授業の中で生まれた文字や言葉を、夜間中学生全員の力で 共同作品にしている。1990年から始まった。今年で22作目になる。紙粘土であったり、補食給食の牛乳パックを再生して漉いた紙を用いたり、藍染であったりする。交流で訪れた人たちと語らいをする会場にこれら共同作品を飾り、夜間中学生は交流を行なっている。


1997年の共同作品は夜間中学生が読み上げた歌を編集し、詩に構成し、藍染にした共同作品である。

わたしは やかんちゅうがくせい/夕方になったら いそいそよういします/むすめに ほんまにすきやねんなあ いわれもって/むすこに えらいふしぎやねんなあ いわれもって/うきうき わくわく 学校へいきます/学校いってんねん しってる人に せんでんします/よみかきでけへんこと どれだけくろうだったか/いきがとまるほど かなしいことがあった/心のなかには 雨の日が おおかった/いまは 小さい空に日がさしてきた/一文字おぼえるたびに せかいがひろがります/みちをあるいているとき はりがみをみたとき/テレビみているとき でんしゃやバスのるとき/びょういんにいったとき やくしょにいったとき/しごとするとき しょうめいかくとき/エンピツもつのが たのしい/わすれて きくのも またたのしい/学校きてるときは わたしだけのじかん/いまとむかしの 二ばうぶんのじかん/とりもどしていって だんだん/わたしは わかくなっていくようです/よむこと かくこと しることは わたしのかつりょく/雨がふっても かぜがつようても 学校へきます/きょうも かいた文字が/ないています わろうてます おこってます 

 2011年11月、守口夜間中学を守口市内の小学6年生66人が訪れた。夜間中学生の横に座り、夜間中学の授業を体験した。夜間中学訪問を一つの柱にした人権総合学習のくみたてだ。訪問を終えた小学生は、感想を横に座り、いっしょに学習した夜間中学生に、年賀状にしたため送ってきた。冬休み明け、はがきを手にした夜間中学は返事を書いた。
 1月、この小学校で校内研が企画され、授業を見せていただいた。この日の授業で教室の黒板に掲示されていたのが、上で紹介した構成詩である。子どもたちは夜間中学を訪れ、体験した夜間中学の授業を、横に座った夜間中学生との語らいを、夜間中学生の意見発表を聞いた感想を各自3枚の短冊にしたため、6人のグループで夜間中学生の構成詩を参考に、自分たちの構成詩をつくってみようと意図した授業である。短冊には、自分たちの学びと、夜間中学で体験した学びを比較した、子どもたちなりに表現した短文がつづられている。
 作業の進め方の説明を受けた小学生は、友だちの短冊の説明を聞きながら、推敲を重ね、自分たちの構成詩を練り上げていった。夜間中学訪問から2ヶ月が経過するが、子どもたちのモチベーションは強く、卒業を目前に、中学校生活の決意を短文にしたためていると、担任の先生は説明しておられた。
 夜間中学の卒業式がおこなわれた3月14日、子どもたちが作った詩集を携え、2名の先生が卒業式に参加された。子どもたちの思いの詰まった16篇の手書きの詩が、印刷されていた。

   夜間中学生が教えてくれたこと
 勉強している人は、おじいちゃん、おばあちゃんでした
 みんなが笑顔になれる場所です。
 うれしくて、楽しい学校だと思わせてくれた
 授業を生徒さんたちが えらぶ所
 積極的に話しかけてくれたのがうれしかった。
 字がきれかった。
 グラフで一緒にわかりあえたこと
 頑張って勉強するのがすごいと思った
 笑顔で勉強していたこと
 あきらめずチャレンジすること
 全てすごいと思った

 夜間中学校の生徒さんのような
 あきらめない気持ち、やさしい気持ちを
 もてるような
 人間になりたいと思う

最後の「人間になりたいと思う」は他の文字より倍の大きさの文字で綴られている。「夜間中学生」、夜間中学校の「生徒さん」とあるのも自然だ。
子どもたちに、是非、夜間中学を出会わせたいと授業を企画した先生自身も何年か前、守口夜間中学で授業を行なうことを体験されたという。
 さっそく、届けられた詩集をもとに、新たな夜間中学の授業がはじまっている。これら夜間中学生を中心に、教員、子どもたちの相互作用は、どのようにつながっていくか、大変楽しみだ。
[ 2012/03/22 04:08 ] 寄稿 | TB(-) | CM(-)


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