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コラム「風」いまだ未清算の戦後補償:川瀬俊治

 戦前の朝鮮人強制連行の歴史を刻んで70年近くたつ。しかしその歴史的清算は済んでいない。これは事実と異なることを言っているのではない。

▼昨年9月、大韓民国政府はいまだ戦後補償未清算の日本企業に韓国内の国際入札制限を打ち出した。その企業136社。このなかにコラム子が住むならでは天理・柳本飛行場と吉野郡野瀬川村の金屋淵鉱山で強制連行した企業である大林組と住友金属が名指しされているからだ。

▼この事実解明には最近の戦後補償の流れを知る必要がある。日本と朝鮮半島の戦後補償は韓国とのみ請求権協定が成立している。朝鮮民主主義人民和国とは未批准、国交すらない。
日韓間では1965年は発効の日韓請求権協定により両国が国及びその国民間の請求権が完全かつ最終的に解決されたとされている。裁判所は損害賠償請求訴訟を退けながらも強制連行の事実を認める判決す事例が増えているのである。

▼この流れは中国人強制連行被害者に対する西松建設を相手取った裁判から本流となった。アジア太平洋戦中に広島・安野発電所工事に強制連行された中国人男性二人と三家族が西松建設を相手取り二七五〇万円の損害賠償訴訟を行った裁判は、2007年4月27日に最高裁判決が出た。原告勝訴となった広島高等裁判所判決のうち強制連行の事実や西松建設の賠償責任は認めたものの、個人の賠償権を放棄、原告の逆転敗訴となった判決だ(以下四・一七最高裁判決)。

▼ここで四・一七歳高裁判決では判決文「まとめ」の最後に「付言」があり、「中国人労働者らを強制労働に従事させ〔被告は〕相応の利益を受け(中略)被害者らの被害救済に向けた努力をすることが期待される」(〔 〕内文章は引用者)としている。個人の損害賠償請求権が訴訟以外のかたちで被害者に「債務履行の義務」が残っていることを含む内容であり、この「付言」から四・一七最高裁判決以降、両者の和解交渉が進み、2009年10月23日に中国人被害者と遺族と西松建設の間で和解が成立した。

▼和解成立の日、強制連行の現場である中国電力安野発電所の一角には、「安野 中国人受難之碑」が建立の除幕式が行なわれたが、碑文には「事実認定と謝罪、後世の教育に資する記念碑の建立、補償三項目」が和解交渉で出され、この三項目に加えて360人との和解が成立したことも刻まれている。

▼この四・二七最高裁判決「付言」と同様の判断が名古屋三菱・朝鮮人女子挺身隊訴訟でも下され、現在原告、被告側の補償をめぐる話し合いが続けられ、四・二七最高裁判決は現段階での戦後補償問題の到達点となってきた。
しかし多くの企業が強制連行の事実に背を向けており、韓国では一国議員が献身的に被害は救済に向け尽力し、いまだ戦後補償未清算企業の韓国国内での国際入札締め出しの立法的制度を昨年成立させ、同9月には該当企業136社が発表されたのである。

▼われわれの足元でも136社として名指しされた企業があることに気づかねばならない。 
[ 2012/03/17 13:39 ] 川瀬俊治 | TB(-) | CM(-)


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