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「原発を問う民衆法廷」第1回公判、開かる:渡辺幸重

 民衆の手で福島第一原発事故の責任を明らかにし、政府や東電の責任を裁く「原発を問う民衆法廷」第1回公判が2月25日、東京・港区で開かれた。これは、原発事故で多くの人が被害を受け、深刻な事態に陥っているのに司法の手による責任追及が行われていないのに対して、市民の視点から刑事的・民事的・社会的責任を追及し、良心に基づく新しい法規範を確立しようという取り組みの一つで、今回の第1回公判を皮切りに4月15日には第2回公判を大阪市で、5月には第3回公判を福島県で開催する。

原発犯罪」を追及

 この日は、福島第一原発事故を引き起こした刑事責任を問う内容で、検事団は、
・東京電力の勝俣恒久会長、清水正孝社長、武藤栄副社長、
・内閣の菅直人首相、枝野幸男官房長官、海江田万里経済産業大臣、
・監督官庁の斑目春樹原子力安全委員会委員長、寺坂信昭原子力安全・保安院院長、近藤駿介原子力委員会委員長   (肩書きは当時)
を被告とし、
いずれも原子力発電所が地震や津波によって破壊され、水素爆発が起こり、住民の被爆や環境汚染を予見し、認識していたのにそれへの対応を怠ったとして、人に関わる公害犯罪の処罰に関する法律違反(東電関係者のみ)および業務上過失致死傷罪(全員)に当たると主張した。
第1回民衆法廷

 検事団代表役の河合弘之弁護士は、冒頭陳述の中で
「オリンパスや不二家、雪印などの事件では強制捜査が行われ、逮捕者が出て個人の財産まで厳しく追及されたのに、今回の事件では社会的責任、民事的責任、刑事的責任の追究が一つもない。このような集団無責任体制を突破しなけばならない」
と述べた。
 そして、まず斑目委員長や東電会長など責任のある者を辞めさせる   ことが社会的責任の追及を始めることになるとし、民事的責任としては、近く、東電役員の個人責任を追及して5兆円を超す損害賠償を要求する株主訴訟を起こすことを明らかにし、さらに刑事責任追及としては、何千人、何万人もの福島県民が、福島地検に今回の民衆法廷の被告になっている人たちを告発する必要がある、と訴えた。

 今回の民衆法廷では、福島県内在住の7名が申立人として、避難や被曝、生活やコミュニティの崩壊など、原発事故による被害について意見陳述し、いまなお続く被害の大きさを浮き彫りにした。
 また、証人として哲学者の高橋哲哉さんと反原発運動を続けてきた山崎久隆さんが、原発は人権を侵害する不条理なシステムであることや原発事故の実態を述べた。

原発は沖縄同様、“犠牲のシステム”の上にある

高橋さんは、原発や沖縄の米軍基地を「犠牲のシステム」という言葉で説明した。
 犠牲のシステムとは、「ある者のシステムが他の者の犠牲の上にのみ成立し、維持されるシステム」であり、そこでは絶えず犠牲が生み出され、深刻な人権侵害が存在している。高橋さんはそれを「憲法上許されないもの」と断じている。
 ところが、原発のシステムは、過酷事故によって人々を恐怖に陥れ、原発作業員を日常的に被ばくさせ、ウラン採掘から核のゴミに至るまで被ばくの可能性が極めて高い状態が続く。原発はこれらの危険性をそれぞれの地域に押しつけなければ存在し得ない犠牲のシステムそのものなのである。
 高橋さんは「原発が稼働し続ける限り、必ず犠牲が出、深刻な人権侵害が起きるので、倫理的に認めることができない。原発はやめるべきである」とはっきり言い切った。そして、民衆法廷で被告になっている人たちの責任はきわめて重大であり、原発事故を二度と起こさないためにもこれらの人たちの刑事責任が問われるべきであると主張した。
民衆法廷02


[ 2012/02/27 21:38 ] 渡辺幸重 | TB(-) | CM(-)


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