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日曜新聞書評欄簡単レビュー:三室 勇

本日の一面は天皇手術報道が並んでいる。ネット上では専門医を交えて手術に関する情報が飛び交っている。今回のバイパス手術は、心臓を動かしたまま行うオフポンプで行われ、バイパス術では5500例の実績を持つ天野篤順天堂大学教授が術者に加わっていた。

今週も日曜日恒例の新聞書評欄から。
京都――
垣谷美雨『七十歳死亡法案、可決』(幻冬舎、1575円)。20行の短評紹介だが、このブラックユーモアに満ちた近未来SF小説が気になったのは、団塊の世代が十数年後には死亡年齢世代となり、日本は多死社会がくるといわれているからだ。この本の特別サイトをのぞくと、書き出しの一節がのっていた。
「第1章 早く死んでほしい」
 七十歳死亡法案が可決された。
 これにより日本国籍を有する者は誰しも七十歳の誕生日から30日以内に死ななければならなくなった。例外は皇族だけである。尚、政府は安楽死の方法を数種類用意する方針で、対象者がその中から自由に選べる配慮をするという。
 こんな書き出しで物語は始まる。わがままな寝たきりの義母を抱え、介護する主婦を中心に、ひきこもりの息子、家庭を妻任せの夫などが、この法案をめぐって本音のバトルトークを展開させていく。年金問題をふくめ日本社会が今後どんな姿になっていくのか。笑えない背筋が寒くない話である。

直野章子『被ばくと補償 広島、長崎、そして福島』(平凡社新書、882円)、評者・平岡敬。著者は九大准教授(社会学)で、祖父が原爆で亡くなっており、被爆記憶研究などをテーマとしてきた。フクイチ(福島第1原発)の事故の補償問題も、振り返って広島、長崎の補償がどうであったかといった視点で問おうとしている。これまで国は唯一の被爆国といいながらも被爆者に対して厳しい認定基準を設けて選別してきた経緯がある。またぞろこれが福島でも繰りかえされるかもしれない。それをさせないために被害者保護の法制化が必要ではないか。本書では補償をめぐる考慮されるべき問題提起がされている。

毎日――
寒川旭『日本人はどんな大地震を経験してきたのか―地震考古学』(平凡社新書、840円)、評者・渡部宣男。地震の予知と予測は異なる。予知はあらかじめ知る。いつどこでを明らかにすることだ。これはできない。しかし予測は確率などから推測することで、これは可能だ。しかし、日本の地震学は予知可能として膨大な予算を投入してきた。評者は、これは「地震予知ムラ」に等しいものという。そうした地震学のなかで地震考古学という分野がある。地中の過去の痕跡から大地震の歴史を読み解くもので、それによると日本列島は絶え間なく大地震や津波の被害を受け、復興を繰り返してきたことがわかるという。予知不能を明確に訴える地震学者がいる。東大教授のロバート・ゲラーで彼の本『日本人は知らない「地震予知」の正体』(双葉社)は日本の地震行政を鋭く批判している。日本の地震学はできない予知の看板を下ろして、まっとうな地震研究をすることが求められている。
[ 2012/02/19 11:10 ] 三室勇 | TB(-) | CM(-)


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