ジャーナリスト・ネット公式ウエブサイト

ジャーナリストの取材記事、論考などそ掲載するブログ
ジャーナリスト・ネット公式ウエブサイト TOP  >  スポンサー広告 >  寄稿 >  夜間中学その日その日(223): 守口夜間中学  白井善吾

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

夜間中学その日その日(223): 守口夜間中学  白井善吾

日教組教研理科教育分科会
第61次日教組教育研究全国集会が2012年1月28日から30日、富山市を中心に開催された。
3・11東日本大震災を受けて、集会基調では次のように述べている。
私たちがこれまで主張し続けてきた「核と人類は共存できない」ことが明白となり、自然エネルギーを基盤とする持続可能な循環型社会づくりにむけ、脱原発のとりくみをすすめる必要がある。


3・11を今後の日本の教育や社会の転換点ととらえ、偏狭な「震災ナショナリズム」に注視するとともに、公務員・教職員などを「敵」に仕立てて叩くポピュリズム政治の風潮に対しては、大震災のなかで示された公務公共労働の意義、学校や教職員の果たした役割について、公務員制度改革の動向もふまえつつ訴えていく必要があります。この大震災がわたしたちに問いかけているものをしっかりと受け止め、命やくらしを第一に、教育を通して復興への歩みをすすめなければなりません。このように基調では述べている。

私が参加した理科教育分科会は、本音をぶつけ合う、熱のこもった議論を行い、私は最終日、次のような議論のまとめを行った。
2011年3月11日、「東日本大震災」が発生し、東北地方一体は巨大な津波に襲われ、死亡者約1万6000人・行方不明者約4000人に及ぶ歴史的大災害となった。加えて東京電力福島第一原発の爆発事故によって、東北・関東・太平洋沿岸一体は高濃度の放射性物質に汚染されるという非常事態に直面している。拡散した放射性物質は地球規模に達し、諸外国の原発政策を転換させるほどの影響を与えた。高濃度汚染地帯では故郷を脱出する人々が続出する一方、子どもたちを含む多くの人々は政府の支援がないまま、被ばくの危険性の中に取り残されたまま、不安な生活を強いられている。
理科教育分会では「すべての命が共生・共存する社会」「脱原発社会」を目指し、「科学」のあり方や教育方法、実践運動について、「ハードパス」から「ソフトパス」にと、長年にわたって論議してきた。
原子力や石油・石炭・天然ガスによるエネルギー大量使用を前提にした大量生産・大量消費・大量廃棄社会を象徴する言葉として「ハードパス」を定義した。ハードパスは、物資的豊かさと利便性を提供した一方で、地球規模に及ぶ生態系の破壊や地域コミュニティーの崩壊を引き起こし、孤独と不安が蔓延する社会を出現させた。そして、原発はハードパスの象徴的存在である。
私たちは、次世代に引き継ぐべき社会の在り方として「ソフトパス」を定義した。ソフトパスは自然エネルギーなどを有効に活用し、物質資源を循環再生させ、自然環境と共存する持続可能な社会システムを示すものだ。
2012年4月の中学校学習指導要領の実施、全国学力テストに理科が加わり、実験の技能もその対象になる。学校現場では「学力による序列化」が一層加速し追いつめるだけ追いつめ、結果責任だけを求める、狂騒的状態に陥っている。
理科教育をめぐる以上の情勢下、今次教研では全国から寄せられた26本のリポートに基づき熱のこもった討論が展開された。
具体的に議論になった課題として、
① 絶対評価と観点別評価を導入以来、評価そのものが目的化し、子どものゆたかな発想や多様な展開が置き去りにされている問題。
② 学習内容の増加と言語活動の充実を押し付けるながれとその問題点。
③ 私たちが追究すべき学びについて、市民的な立場から主体的に態度決定できる力を育む実践が重要であること。国益や産業界の利益との関係や構造を見抜き、科学技術のあり方を主体的に選択できる力が重要である。
④ 「基礎」「基本」は同じではない。「基本」とは科学、科学技術のあり方、価値、向かうべき方向にかかわる概念であり、「ソフトパス」という思想だ。「基礎」はこの「基本」実現のために学ぶべき、知識、ワザなどのスキルである。
⑤ 文部科学省が発行した、「放射線に関する副読本」の問題性についても議論した。副読本は、放射能の具体的な危険性には触れず、自然放射線や医療・産業での利用を強調する内容になっている。多発が予想される健康被害との因果関係を隠蔽し、原子力政策の実行者としての責任を回避しようとする意図が明白である。
⑥ 国はチェルノブイリの放射能汚染に学ぶことなく、なんら具体的対応をとらず、その結果住民当事者間で新たな差別を生み出している。そして。子どもの健康に影響を及ぼす放射能汚染状況には教育に関係する大人は子どもの健康を第一優先順位で行動することが重要である事も明らかとなった。

フクシマの災禍は、政治や経済、教育などを方向付けてきた思想と密接にかかわる問題であり、「技術的な解決」で終わるものではない。
「科学」を扱う理科教員の役割は今後、極めて重要な意味を持っている。理科教育を通して、核や原子力に依存しない社会を目指す意識を子どもたちの中に育てていかなければならない。また、自らも専門性を最大限に発揮し、職場や地域の中で現状を伝えていく役割がある。

全国学力テストに象徴される「競争原理」の思想から抜け出し、学びの主体を子ども・教職員・学校・地域に取り戻すことをまずはじめよう。子どもの好奇心が躍動する「生きた授業」を目指そう。体系化された学びから、主体の人権が尊重される多様で総合化された学びを通して、子どもたちが生き生きとする姿こそ私たちが目指す教育のソフトパスである。
第62次教研に向けて、(1)新自由主義を支えてきた「科学技術立国」路線の介入を峻別し、地球市民を意識したソフトバスの実践を集めよう(2)私たちが考える「学び」に基づく具体的な実践を持ち寄ろう。(3)教組教研の重要性を再確認し全国教研→県教研→支部教研→分会と還流。普及・そしてそれに基づく授業実践→支部教研→県教研→全国教研へ。この流れを確立し、教職員組合運動の大きな流れにしていくことを強く皆さんに訴えます。

 実践に基づく、地に足の着いた議論は、止むこともなく、続けられた。私も、夜間中学の実践をもとに、議論に参加した。

[ 2012/02/10 10:34 ] 寄稿 | TB(-) | CM(-)


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。