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夜間中学その日その日(222): 守口夜間中学  白井善吾

夜間中学から考えている学校

 全国に公立の夜間中学が35校、自主夜間中学も25校以上が活動している。沖縄には自主夜間中学「珊瑚舎スコーレ」が活動をおこなっている。珊瑚舎スコーレに瀬川正仁(ノンフィクションライター)さんが取材に入り、岩波の「世界」(2011年12月号と2012年1月号)に「教育のチカラ」として紹介している。


私たち守口夜間中学では、夜間中学の“常識”が“教育全体の常識”に、この視点で、「夜間中学その日その日」を書いてもいる。その点からも、いろんな教育現場を訪れ、教育のあり方を発信している瀬川さんの目には、夜間中学がどのように映ったのか興味を持ち読んだ。
            
(1)学校とは
① 学校は単に知識を詰め込む場ではなく、人生を豊かにするコミュニケーションの場である。違う考えを持った人たちとコミュニケーションができる場。
② 学校とは本来、成績を競い合う場ではなく、知識を分かち合う場でなければならない。同じ境遇の仲間と出会い、心の奥にしまってきた苦しみを解き放つことができる。
③ 学校は単に生きる技術を身につける場ではなく、年齢を問わず人間としての誇りを持たせる場でもある。
④ いまの日本の学校教育では、学びたい意欲を削ぐばかりか、手に入れた知識や知恵をより高い学歴を得る手段や金儲け、あるいは自己保身の道具としてしか使わない人間を育てているという現実がある。
⑤ 今の日本の学校は、中学は高校の予備校になっていて、高校は大学の予備校。そして大学は就職のための予備校になっている。何か変だ。
⑥ ひとりひとりの持つ知識や知恵をよりよい社会づくりに役立てられないだろうか。そして、学校をそうした社会づくりの中核に出来ないだろうか。

(2)授業について
① 授業で大事なことは単に目的地までたどり着くことでなく、その教材を通して、いかに学習者と豊かな時間を過ごせるかという認識だ。
② 多くの人は三次元の世界を生きていると思っている。でも実際、私たちは時間軸を含めた四次元の世界を生きている。夜間中学生の体験は誰かに伝えない限り、一代で消えていってしまう知識である。でもそれを教室で話すことで、その記憶は共有され後世に引き継がれていく。それは教科書に書かれた知識などより、ときにずっと意味がある。

(3)学びの意味
① 言葉を獲得することで、人は新しい自分に出会える。言葉に限らず、学ぶという行為は常に新たな自分と出会うことである。昨日と違う自分になることは、だれもがワクワクすると思う。
② 「学び」というのは究極的には「愛」である。「愛」をわかりやすくいえば、異質な他者をいかに理解し、距離を縮めようとする努力である。

(4)教員の仕事
① 教科というのはただの場所、フィールドである。教員の仕事はそのフィールドで子どもたちが何に興味を持つか、みきわめ、その興味に寄り添うことである。ところが学校の教員は、子どもを強引にどこかに連れてゆこうとする。たとえば、数学の因数分解を例にとれば、多くの教員は因数分解の解き方を闇雲に教え込もうとする。だから子どもは、こんなこと学んで何になるのか、と反発する。当然だ。因数分解が将来、役に立つ人間なんてほんの一握りである。重要なのは、因数分解を理解する過程で、その子どもが何を学べるかだ。教員がそのことに気づけば、日本の教育はもっとよくなるはずだ。

(5)夜間中学
① よい仲間がいて、みんなといっしょに新しい知識が身につけられる。こんな楽しい場所、世界中探してもほかにない。
② 夜間中学生だけでなく、教員もまた成長できる場、それが夜間中学の真骨頂なのかもしれない。

学習者、講師の言葉を引用しながら、以上のように記述している。私たちの考えと重なり合う部分が多い。
守口夜間中学では、夜間中学で追求している学びを次のように考えている。「奪いかえす文字やコトバは、明日からの生活をかちとる智恵や武器となるものでなければならない。地域を変え、社会を変えていく力となる学び」。そして、① 自らがおかれている立場を表現する力、② 自らがおかれている歴史認識ができる力、③ 現代社会の諸問題に対し、人権・権利の主張と行動できる力、④ 民族の自文化を大切にする力、⑤ 自然が発しているさまざまなシグナルを受け取ることができる力、の5点にまとめている。

[ 2012/01/26 10:33 ] 寄稿 | TB(-) | CM(-)


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