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メディア・ウォッチング 新聞のサイエンス情報  三室勇

1月16日の新聞各紙は、量子力学の「不確定性原理」に関する記事を掲載している。海外の一般紙ではまず扱っていないこの話題をなぜ取り上げたか。その理由は、日本人のやった仕事だからだ。

各紙の見出しはつぎの通り。
読売新聞「不確定性原理に欠陥…量子物理学の原理崩す成果」
毎日新聞「量子力学:不確定性原理に欠陥 名古屋大教授ら実証」
日経新聞「「不確定性原理」矛盾実証次世代技術を後押し」
東京新聞「量子力学 不確定性原理に誤り 名大など実証」
朝日新聞「物理の定説、数式を修正 「不確定性原理」の予測を実証」

私たちの五感による自然認知では扱えない世界がある。物質を構成する分子、分子は原子の集まりで、ここ止まりが五感の物質世界といえる。五感で扱えないのは、原子、その原子を構成する電子、原子核内の粒子の世界だ。
私たちの五感による認知世界をもとにしてつくられたニュートン力学は17世紀の大発見で、それに基づいて近代科学技術文明がつくられてきた。しかし、19世紀末から20世紀初頭に放射線が発見され、その解明が進められ、粒子と波動の2つの特徴を備えた世界があることが判った。原子の内側の世界、そこはニュートン力学が及ばない。そこを扱うために量子力学がつくられることになる。なぜ量子という言葉が使われるかは、ここでは省く。1点言えることは、五感で捉えられる物質は質量、長さ、体積など測定できる。これを物理量という。しかし、量子は、その物理量が時空間などの影響を受け一定なものとして測定できない。このこと自体、私たちの認知を超えた世界なわけで、それを扱うのが量子力学というわけだ。サイエンスは数理的な世界である以上、これを何とか測定しようとする。ハイゼンベルグの不確定性原理は、量子を測定しようとすると位置や運動量が不正確にしか計れないことを数式に表した。この数式(ε(Q)η(P)≧h/4π)に不正確ではないかといった疑義が出ていた。そこでより正確なものとして日本人の数学者、小澤正直名古屋大学教授が2003年に発表した数式(ε(Q)η(P)+ε(Q)σ(P)+σ(Q)η(P)≧h/4π)があり、これが日本人の長谷川祐司ウィーン工科大学准教授らが実験的に確認したという話である。
新聞では「不確定性原理に欠陥」「不確定性原理の矛盾」と書いているが決してそうではない。より精密化されたといったほうが適切だろう。
[ 2012/01/24 13:14 ] 三室勇 | TB(-) | CM(-)


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