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奈良おんな物語《9》「久保田逸子(韓国人形制作)」下:鄭容順

「人形制作の苦労」
なんといっても苦労したのは下着だった。
テレビドラマでは下着(ソッチメやパジ)や靴(コムシン)が見えない。


靴と靴下

そして靴を作るのに苦労した。普段の生活の中でほとんど見ることのなかった靴の形に苦労した。
最初、靴下(ポソン)は靴の上に靴下をつけて作ったがこれもどうやら違う。何度も本で調べてインターネットで検索して作り方を研究した。作ってはまた作り直す。試行錯誤の繰り返しだった。やっと本に紹介されているのとよく似た物ができあがったときはほっとしたものだった。
靴下、靴を別々に作ることに成功した。
「服を着せ替えたらといった娘、屏風の材料は100円ショップで買ったものですが屏風絵は娘が書いてくれました」と嬉しそうに話す久保田逸子さん。
韓服の下着などの制作に苦労した証を見せてくれた。
筆者はなるほどと思った。
筆者は子どもの頃から韓服を身近に見てきた。下着も靴下も靴もどんなものか知っている。ポソンも履くときは窮屈そうでなぜこんなに苦労して履く履物になっているのかと子どものころから今もそう思っている。靴にしても先が細くしなっている。先の細い尖ったところは余分だと何度も思ったことがあった。
しかし少しずつ韓国の文化がわかってくると少しは理解できるようになった。
韓国の美は曲線である。
韓屋の屋根も曲線になっている。そして韓服は肩から袖、袖から脇は曲線で作られている。それに合わしたのか靴下も靴も曲線でしなやかな美の衣装にしている。日本人がテレビドラマを見ているだけでは靴下がどうなっているのかおそらく分からないだろう。

ソウルの本屋で購入

1世たちは韓服を自分で作った。
祖母や叔母(父親の姉)は自分で作っていたと聞いている。
叔母の家に行くと作りかけの韓服の裁縫道具が置かれていたのを見たことがあった。韓服を作っていた祖母も叔母ももうすでにこの世にいない。記憶だけ残していった。縫っているところをもっと身近に見ればよかったと今となっては後悔している。
1世たちは裏と表をつなぎ合わせる縫い方は一筆書きのように最初から最後まで1本の縫い方でつなぎ合わせる技術で作っていた。
今はもうそんな技術を持ち合わせている人は少ないだろう。
現在はほとんど専門業者に依頼して縫製していく。
日韓国交正常化は1965年、日本ではまだチマ・チョゴリ(女性の民族衣装の上下)は在日コリアンだけが着るものになっていた。そして1988年ソウルオリンピック開催、2002年ワールドサッカーの開催を機会に韓流になり、日本の中でも韓服を着る日本人が見られコリアタウンの韓服も豪華になっていった。
時代の流れがめまぐるしく変わった。
筆者の所見を少し記述した。

男の子の韓国人形


「韓国人形を作って」
韓国人形を作っていて学んだことは韓服の背景にある韓国の歴史や文化そして生活だった。
韓国人形を作ることでどんどん人形の形のイメージが膨らんでいく。
韓国の楽器、伽耶琴(カヤグム)や長鼓(チャンゴ)も作って人形に持たせることにした。その資料はインターネットで調べていく。調べていくうちに韓国の生活文化の様子を知る機会にもなった。
最初は人形に針金を入れていなかったので表情は乏しかったが昨年から人形に針金を入れて作るようした。そして韓国楽器を持たせて見ると韓国の雰囲気がただよう人形になっていく。新しい発見をした。

「今後の夢」
まだ男子の人形を制作していない。
「これからは男子人形を作って男女合わせた対の人形制作をしていく。そのためにはまず男の子の人形から作っていく」と約束した久保田逸子さん。8月に入ってから初めて男子人形に挑戦した。
その作品をメールで送って下さった。
約束を忘れないで制作、初めてチャレンジした男子人形、完成品をメールで送って下さった久保田逸子さんの人間性、温かい人間性が溢れていた。将来は男女対にして宮中の婚礼衣装を着た人形の制作を筆者は期待している。

「その他」
取材で訪問した自宅、パッチワーク制作を指導しているとあって自宅にはパッチワークの作品も置かれ棚という棚は自分で作った韓国人形が置かれていた。
人形作りの原点は子どもの頃のリカちゃん人形だった。人形の着せ替えの服をよく作った。大人になっても洋物の人形を作っていたが韓国ドラマを見るようになって朝鮮王朝時代の宮中で過ごす人の衣装の豪華絢爛に目の虜になった。
久保田逸子さんの夫は陶芸が趣味で作り続けて作品を発表している。
昨年からは夫の従兄弟たちが主催する仲間たちとの作品展にも参加、陶芸など出品されるが久保田逸子さんの韓国人形も陶芸と一緒に展示、今年もまた一緒に参加して展示する。

パッチワーク作品


展示は「第2―鬼神と仲間たち」
日 時:2011年10月17日(月)~23日(日)
    午前10時~午後5時。最終日は午後4時まで。
場 所:けいはんな記念公園 水景園・観月楼1階
    ギャラリー月の庭
    京都府相楽郡精華町精華台6丁目1番地
    電話0774―93―1200
入場料:一般大人200円 小・中学生100円
    但し60歳以上は無料、但し証明書が必要。
詳細はけいはんな記念公園のホームページを参照。
http://www.keihanna-park.jp/

<写真説明>1、苦労して作った靴と靴下 2、ソウルの書籍店で買った韓服の作り方の著書 3、今年8月に初めて作った男の子の韓国人形 4、パッチワークも長年続けている趣味でその1つの作品
[ 2011/01/30 08:25 ] 鄭容順 | TB(-) | CM(-)