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 夜間中学その日その日 (379)    白井 善吾

「日韓識字文解交流IN釜山報告集」完成!!
 2014年3月28日~31日まで釜山にある文解教室「盛芝文化院」を近畿の夜間中学生、教員ら32人が訪問、交流をおこなった。その報告集ができあがった。
 2013年9月のスタートから、約1年を要したが、少しずつそのとりくみを進めてこられた。関係者のその粘り強さに敬服しながら、改めて髙野雅夫さんの思いが、芽を吹き、育ち、少しずつ広がりを見ていることを実感している。

私は次の一文を書いている。第1回の訪問交流2002年7月、その報告集の書名が『日韓識字交流元年』(宇多出版企画)でその時の出会いを振り返り、今日の課題を述べた。

『日韓識字交流元年』から13年
―髙野雅夫・萬稀・夜間中学生そして韓国文解学習者の出会い―

21世紀に入る頃であったと記憶する。大阪の夜間中学が相次いで30年を迎えるのを前にして「夜間中学の歩みを振り返り、あすの夜間中学を考えよう」。夜間中学関係者の間で、いろんな機会にそんな話題で議論が進んでいるときだった。企画案の一つに母国から切り離され、日本での生活を余儀なくされた在日韓国朝鮮人の夜間中学生が獲得した文字とコトバで母国を訪れ、母国の人たちと再会する。「50年ぶりに訪れた母国、識字の仲間との出会い」そんな企画案があった。
1年後にそれは実現することとなった。『武器になる文字とコトバを―夜間中学生タカノマサオ―』(解放出版社・1993年)の朝鮮語訳の出版を果たし帰国した髙野雅夫さんから「ソウル市内や近郊で活動している識字学級と交流しませんか」との提案を受けた。
2002年7月、天王寺・長栄・太平寺・守口の各夜間中学生・卒業生・教員・市民 総勢40名で訪問が実現した。間髪をいれず同年12月、私たちは安養市民大学の萬稀校長、李今順生徒会長をはじめ8人の訪問を受けた。大きな相互訪問交流は2014年までそれぞれ6次ずつ、計12回を数える。
安養市民大学をはじめ、夜間中学生と韓国の学習者との交流を通して、髙野雅夫さんの提案の意図したところはそれ以降の近畿夜間中学校生徒会の活動の中で遺憾なく発揮されているといえる。コヤシがコヤシを生む、“コヤシの思想”の実践であった。

一方、萬稀さんはこの交流をどのように考えていたかを知る一文がある。紹介する。
                 
2002年の夏、髙野雅夫先生が安養市民大学を訪問された。髙野雅夫先生は、「私は日本の夜間中学生、髙野雅夫です」と、韓国語で挨拶をされた。続いて、日本の夜間中学に対する説明と、『武器になる文字とコトバ』という先生が書かれた本を見せてくださった。日本の文解教育現場のうちの一形態である夜間中学は、正規学校で、正規教師が授業をするという話を聞いた時、驚いて自分の耳を疑った。
 もう少し具体的に質問をしようとしたのだが、髙野雅夫先生が先に質問を始めた。市民大学の設立目的と運営方法、教育プログラムに対して、休まず質問を続けられる。息を整えてあれこれ答えるたびに、ずっと、「ア~、スバラシ!(本当に立派だ)」を連発なさる。何がそんなに立派だというのだろうか?さっぱり道理をえない。
 「日本の文解教育現場が知りたいですね」と言ったことが契機になったのか、その年の12月、学生代表、後援者代表、教師代表 8人が日本の文解教育現場を訪ねた。20日余りの間、東京、大阪、京都、兵庫、奈良、広島地域の文解教育現場を訪問した。
 “人間の世の中を熱く、人間に光明を”
 白丁解放運動である水平社運動から始まり、戦後、東京の夜間中学を中心に広がった識字運動の歴史を学んだ。何より、文解学習者「高野雅夫」一人で始まった大阪の夜間中学運動の歴史は、奇蹟に近かった。
 しかし、残念ながら、当時の識字教育現場では歴史的生命力と学習者たちの挑戦精神が継続されはしなかった。ようやく、高野雅夫先生が韓国の文解教育を見て、「ア~、スバラシ」を連発なさる理由がわかった。
 草の根の文解教育運動が持つ生命力と教育の平等、幸せの分かち合いを実践し、文字を越えて世の中を学ぶ韓国文解学習者たちの挑戦精神こそ、立派な文解教育の真の価値であり未来だったのである。<訳・浅野かおる>(以下略)(『日本の社会教育・生涯学習-草の根の住民自治と文化創造に向けて-』韓国・学志社、2010年10月刊) 

 髙野雅夫さんは著書の中で「世界に誇る・教育大国の神話が崩れ、戦後民主主義が殺された現在―21世紀に向けて、夜間中学生の原点から、夜間中学のルネッサンスと、教育体制の、ひいては日本のルネッサンスを想(ゆめ)みたい」。として4点の提案をしている。①「21世紀の夜間中学(まなび)を創り出す会」。②夜間中学設置の都・府・県(市・区)が共同で国に働きかける組織づくり。③天王寺夜間中学講堂を“夜間中学生歴史館(証言館)”にする。そして④俺たちが学んだ韓国のオモニハッキョを原点に、学ぶ場を奪われた仲間たちとともに、韓・日の「識字」交流から、夜間中学の開設を訴えたい。(髙野雅夫著『夜間中学から朝鮮半島へ』解放出版社、1999年12月刊)

 いま夜間中学をめぐって、10年間の動きが1カ月に圧縮して起こっている、そんな感がする大きな動きが展開している。こんな時だからこそ日韓識字文解交流で学んだ思想と知恵を行動に繋げていきたい。
 
完成した、2014日韓識字文解交流の報告集『さらなる広がりと充実を―夜間中学生・韓国文解学習者との交流』は実費頒価(800円)でお求めいただけます。
問い合わせ先
守口夜間中学 〒570-0055 大阪府守口市春日町13番20号
 TEL:06-6991-0637
 FAX:06-6996-2082
 Email:daisan_yakan_jhs@moriguchi-osk.ed.jp

[ 2014/11/10 06:06 ] 夜間中学・白井 | TB(-) | CM(-)


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