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夜間中学その日その日 (368)    白井 善吾

夜間中学増設運動全国交流集会
2014年8月30~31日、夜間中学運動全国交流集会が愛知県蒲郡市で開催された。全国で夜間中学開設の活動を行っている10の組織・団体から31名の学習者、スタッフの参加があった。


夜間中学増設運動全国交流集会は次のような経緯で始まった。関東では川崎市で1976年10月、千葉県市川市で同じ10月、市民による自主夜間中学が活動を開始した。関西では奈良市で「うどん学校」が同年9月、奈良県天理市で1979年3月、京都府宇治市で同6月、公立化を目標に自主夜間中学が活動を開始した。そして奈良市(1978年)、天理市(1981年)、市川市(1982年)、川崎市(1982年)に公立の夜間中学を実現させた。これらの取り組みの経験を交流し、夜間中学の開設を進めることを目指して、関東、関西の中間地点、静岡県磐田郡福田町豊浜の国民宿舎「遠州ふくで荘」で1982年8月第1回全国交流集会が開催された。今年で33回を迎えた。

まず1年間の各組織の取り組みを報告、意見交換を行った。夜間中学の活動を市民運動の中に拡げ、粘り強く取り組みを行っているある自主夜間中学では、行政交渉を行い「夜間中学についての考え方や必要性や理解できている。国会の夜間中学等義務教育充実議員連盟や文科省の動きは知っている。夜間中学を開設した時の入学者の数など実態調査を行い把握していきたい」と行政責任者の発言があった。市町村の応分の負担による夜間中学を開設する「共同開設方式」の提案を行っている。横浜の統廃合・天王寺閉校問題・日韓識字文解交流・義務教育を実質的に保障されなかった人の学びについて報告があった。
学習者が語り合う分科会では、髙野雅夫さんの大阪の開設運動を記録した「浮浪児マサの復讐」と奈良の開設運動を記録した「うどん学校」を鑑賞。夜間中学開設運動の主人公は当事者である夜間中学生であることを再確認した。

現在、夜間中学をめぐって国レベルの大きな動きがあるが、この動きをどのようにとらえるかの議論も行った。
その動きというのは、
衆議院文部科学委員会の夜間中学訪問(2013.11.19)。
国会議員57名による夜間中学等義務教育拡充議員連盟が発足(2014.4.24)。「夜間中学を全国に整備を実現する 超党派議連設立」(2014.4)。
文部科学委員会での質問と議論(2013.11.27/2014.5.21)。
文科省教育制度改革室の夜間中学訪問(2014.7)。
政府の教育再生実行会議が「夜間中学の設置促進を」の提言を決定(2014.7.3)。夜間中学等義務教育拡充議員連盟11名が守口夜間中学を訪問(2014.7.17)。
「夜間中学等の全国拡充に向けた院内シンポジウム」の開催(2014.8.1)。
文科省が2015年予算案に4400万の「中学校夜間学級の充実・改善等への取り組み事業」を請求していること(2014.8.30)。
等である。

集会では、私たちが夜間中学の明日に明確な展望を持ち、とりくみを組み立てていかないと教育行政は夜間中学の教育環境改悪、夜間中学つぶしにくみしてきたことはこれまでのあゆみの中で私たちは知っているとして、「現場、マスコミ、世論が大きくなって、国は動くようなポーズと取りながら、時間稼ぎをし、世論が沈静化するのを待って、何もなかったかのように対応してきたのがこれまでの流れではなかったのか。他力でなく、当事者が主体性を堅持して、とりくみをリードしていくことが重要だ」との指摘があった。

夜間中学の「法制化」は夜間中学運動にとって「プラス」に作用すると考えるし、プラスに作用させねばならない。都道府県に最低1校の夜間中学の開設をとの主張であるが、一般的な話ではなく、すでにとりくみ実績のある自主夜間中学の公立化がその先陣を切ることになる。しかし、それにはいくつかの実現条件がある。学習対象者として、①実質的に義務教育を保障されなかった人、母国の義務教育課程を修了している人も学べるようにすること ②既設の公立夜間中学の学習条件や学習環境を低下させるものであってはいけない。年限、教員の数、就学援助、給食など充実させるため、国、都道府県、設置行政は予算の確保をおこなうこと。そのためには公立・自主夜間中学は「生き証人」の発掘とその人たちを前面に置いた行政への働きかけが必要不可欠である。また教育運動、市民運動と結びついた共闘関係の構築が必要である。そして自主夜間中学運動に理解があり、公立校化した学校に、意識ある教員の配置が重要であることなどが話し合われた。

それにしても、10年間の動きが、一ケ月の間に起こっている。そんな感がする夜間中学をめぐる動きだ。
[ 2014/09/04 22:16 ] 夜間中学・白井 | TB(-) | CM(-)


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