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夜間中学その日その日 (357)    白井 善吾

公立の夜間中学は現在31校。2014年4月、横浜市に5校あった夜間中学が蒔田中に統合され1校になった。学習者の減少が理由とされている。しかし人口370万人を数える大都市で夜間中学生が12人だけとは考えられない。夜間中学の広報活動が十分やられていないからだと考える。教育行政として夜間中学があることを義務教育未修了の人たちに届ける。重要な任務ではないのか。

駅頭で配っていたビラ、「なんのビラだろう?」気になって、渡った踏切をもう一度引き返して、手にしたビラが「南河内自主夜間中学開校を知らせるビラでした。それを手にして、すぐに参加しました。学びたかった学校です」こんな人は横浜市には皆無だと言えるのだろうか。この人たちの学習権保障を考えたとき、横浜市教育委員会は別の方途があったはずだ。

学習権を保障するため、公立を実現するまで、待っていてくださいとはいえない、自主夜間中学を運営しながら公立化の運動を行い公立の夜間中学開校を実現する方法で、奈良県の春日、天理、畝傍。大阪では東生野夜間中学が開校した。今も全国25を超える地域で自主夜間中学が活動を続けている。
「私設」ともいうべき、自主夜間中学はどこからも制約は受けない。しかし、設備、教員の確保など税金で運営されている、学校教育制度の中に位置づく公立の夜間中学には様々な制約がある。
形式卒業者の入学、しょうがい者の受け入れ態勢、夜間中学に理解のある教員の確保、カリキュラムなどメリット、デメリット様々だ。
公立の夜間中学には学年人数に応じてクラス数が決まり、教員が配置される。夜間中学の教員として採用はないから、昼の中学校の教員として採用された人が夜間中学に勤務しなさいとして配置される。事前の打診はあるにしても、学齢を越えた人対象の学びは学齢の子どもたちを対象とする学びとは異なる点が多い。私の場合、昼の学校の教員を18年経験し、希望して夜間で勤め始めたのだが、昼で用いた手法の援用をなかなか捨て去ることはできず、夜間中学生とぶつかる、砂をかむ思いがして、一刻も早く教室を飛び出したい思いに駆られる経験をすることが何度もあった。そんなとき、先輩教員の学習展開をアコーデオンカーテンで仕切られた隣部屋から展開方法を学び、早速真似をした。そんな経験がある
夜間中学生が書いた文章を収録した文集を読み、そこに書かれている夜間中学生の経験体験で編んでいく学習展開を行った。これはうまくいった。夜間中学生の目が輝く学びとなった。
そんなとき、昼の中学校のカリキュラムを逸脱してはいけないとなると夜間中学は夜間中学でなくなってしまう。
今の到達点は次のようにまとめられる。
学習を組み立てる視点として、「奪いかえす文字やコトバは明日からの生活をかちとる知恵や武器となるもので、地域を変え、社会を変えていく力となる学び」となる学習になっているか。
そして①「自らがおかれている立場を表現する力」②「自らがおかれている歴史認識ができる力」③「現代社会の諸問題に対し、人権・権利の主張と行動できる力」④「民族の自文化を大切にする力」⑤「自然が発しているさまざまなシグナルを受け取ることができる力」⑥「生命系全体の共存を展望し実践する力」。そして、実践しようとする学び(授業)はどの「力」を追求しているのかを意識して組み立てた。
「地域を変え、社会を変えていく力となる学び」か否かが重要だ。すると「制度内にあって、その制度を撃っていく創造的な学び」が夜間中学の生命線だということができる。公立化しても変わらない。
日韓識字文解交流で萬稀・全国文解成人基礎教育協議会会長(当時)が制度内に位置付けられた日本の夜間中学がどのような活動をおこない、制度を撃っていく学びを実践しているか何度も踏査し、識字法制定に参考にされたことを思い出した。
学校教育制度内に立脚する公立夜間中学はこの生命線を回避してはいけない。

[ 2014/06/18 13:43 ] 夜間中学・白井 | TB(-) | CM(-)


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