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夜間中学その日その日 (350)     白井善吾

公立夜間中学の立ち位置(1)
現在、夜間中学(教育行政は「中学校夜間学級」と呼んでいる)は学校教育制度の中に位置付き運営されている。そこから来る制約と(年齢、就学経験の有無、就労等)夜間中学生が持っている現実とは大きな開きがあり、それを学校教育法の体系内で運営しようとなると大きな問題が起こってくる。

その典型が就学援助制度である。学齢者を対象とする制度で「(本来)15歳を超えた夜間中学生には対応できない」とする夜間中学のあゆみと現状を知らない行政担当者がよく口にするセリフに表れている。
夜間中学は学んでいる夜間中学生の現実と社会の変化を最初に感じ取れる位置にある現場だと考える。不登校の形式卒業になった人たちが夜間中学に入学を求めて訪れたこと、経済変化を真っ先に受け、仕事を奪われ、この機会に夜間中学で学んでおこうと入学生が増えた時期など、夜間中学現場はその課題解決に向け取り組み、応用問題を解き、その考え方を発信してきたと言える。

今回と次回、教育現場を「識字学級型教育(A)」と「文部科学省がいう学校型教育(B)」に分け、夜間中学(C)の立ち位置を考えてみたい。
まず(A)は学ぶ側の課題・関心・力にあわせた学びを展開しているのに対し、(B)は教える側の課題・関心・進度表にあわせた学び方になっている。したがって(A)は生活の現実から出発し学習内容を編成するが、(B)は教科書から出発。最近では自主編成も難しくなっている現場が多くなってきている。

(A)は学習が進み、知識を知ることを通して社会の矛盾を見、考え、差別を見抜いていく。さらに問題点を解決するため、新たな学びが展開されていく過程をとる。これに対し(B)はテストや入試の問題に答える知識を要求されるため、知識を知れば知るほど社会の矛盾を見る眼が曇ることになる。公立の夜間中学(C)はどこに立ち位置をおいているのかということだ。
この点について私にも経験がある。昼の中学校に転勤した時、夜間中学で実践した内容で昼の子どもたちに同じ展開をおこなったことが何度もある。しかし反応が全く異なるのだ。夜間中学生は学習内容を自分の体験経験をくぐらせて反応し、積極的に考えを述べる。これに対し昼の子どもたちはなかなか乗ってこない。「そのことはテストにはでないこと」と判断するのだと思う。この傾向は学年の進んだ子どもたちに強く表れる。

 (A)は人間解放の価値とつながった知識が編成されていることに対し、(B)は体制保持の価値に基づく知識の体系が優先される。
 このことは東京電力福島第1原発事件後、文科省が配りその活用を学校現場に求めた『放射線副読本』に見ることができる。深刻な事故を引き起こしたにもかかわらず、放射線が「太古の昔から自然界に存在」し、日常的にも身の回りにあるものであり、危険性はない、心配する必要もない。むしろ有用なものとして「放射線安全神話」を学校教育で展開し、教え込むことを現場に強要し、不安や怖れ、関心を抑え込むことを意図した例だ。さらに加えて、この読本の使用状況を調査、使用を強く求めた教育委員会もあった。夜間中学では批判的に新聞記事を読み、政治家、原発推進体制を批判する展開に自ずとなるのだ。私たちは何ができるのか?原発反対の署名活動と節電を呼びかけたり、関西電力の電気の浪費を抗議に行動する学びであった。

続けて議論を行うが、公立夜間中学の立ち位置を明らかにすることは、「夜間中学の生命線」を明らかにすることでもあった。(つづく)
[ 2014/04/15 08:16 ] 夜間中学・白井 | TB(-) | CM(-)


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