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夜間中学その日その日 (342)   守口夜間中学 白井善吾

夜間中学のあゆみに見る「夜間中学の生命線」(1)

今夜間中学に関係する人たち(とりわけ夜間中学の教員)は夜間中学のあゆみに学び、考え、行動することが重要だと痛感する。
教育行政担当者から出てくる「夜間中学生の出席率が良くない」「公教育でないのか」との指摘である。これについて公立夜間中学の教員はなかなか反論できない。むしろ「同意?」した教員の言動を耳にする。


これに対し夜間中学生の反論は明快だ。それは天王寺夜間中学の存続に向けた近畿夜間中学校生徒会役員代表者会での発言だ。「毎日の生活がかかっている夜間中学生が多い。文字と生活とどちらを取るかといえば生活をとる。そんな状態の仲間が多い。それでも学校に行って学びたいんだ」。病気を背負いながら通う夜間中学生も多い。本人がそうでなくても家族が健康でない夜間中学生も多い。健康に恵まれた夜間中学生の方が少数である。「せっかく入学しても楽しい勉強がいろんな理由で、嫌になって止めていく人もいる」。
こんな現実の上に立つ夜間中学なんだ。そのうえで夜間中学生が「教育」に果たしている役割を「夜間中学の先生たち、教育委員会の先生方考えていただきたい」。私はそのようにこの発言を理解した。
夜間中学のあゆみに見る「夜間中学の生命線」としていくつか紹介する。

1969年6月5日入学開校式で活動を開始した天王寺夜間中学から約1か月半後、学び始めた夜間中学生6人と髙野雅夫さんがNHKテレビ番組に出演した。「こんにちは奥さん」('66.4.4~'74.3.29)で鈴木健二アナウンサーが担当であった。「生活に必要な知恵とヒントを提供する朝のワイド番組。毎回スタジオに大勢の女性を招き、ディスカッションするなど、楽しい雰囲気の視聴者参加型番組」で朝8:30~の1時間番組であったと記憶している。月に何度かは大阪のスタジオから電波を飛ばしていたそうである。
私はこの時間帯ではほとんど目にすることのない番組であったのでこの日の放送は知らなかった。1972年大阪・吹田で夜間中学開設運動にかかわるようになって、「こんにちは奥さん・私は夜間中学生」が16ミリフィルムとして府のフィルムライブラリーにあることを聞き、開設運動の学習会に使ったことがある。
この番組のディレクターをされたのがNHK大阪放送局の福田雅子さんで1990年国際識字年の行事で何度もお会いする機会があり、16ミリフィルムを使って見せてもらっていることをお話しした。16ミリの存在はご存じなく、自分のところには収録ビデオはない、手元に残しておきたい番組なんだと話されていた。
当時私は国際識字年推進大阪連絡会の幹事をしていて、大阪府担当者が識字関係の資料リストを幹事会で報告したことがある。この中に「私は夜間中学生」があった。しかしフィルムの破損がひどく、廃棄予定のリストに入っていた。このことを知り、貴重な資料で保存していただきたいと強く申し入れた。元木健代表幹事(当時 大阪大学)からも後押しの発言があった。
その後、福田さんがこのフィルムからビデオに落とされてデーターとして保存していただいたことをお聞きした。
2005年、第51回全国夜間中学校研究大会を大阪で開催した時、福田さんに記念講演をお願いした。そして講演の中で「私は夜間中学生」とラジオ番組「25年目の教室」の紹介をいただきたいこともお願いした(講演内容は大会記録誌に文字化して収録している)。
入学したばかりの夜間中学生は地下鉄切符の切り売りをしていた人、幼稚園の園長さん、電話交換手、消防士、在日朝鮮人のオモニなど、テレビカメラの前で語った内容はどれも感銘深い内容で、インタビューマイクを持つ鈴木健二さんの手が震えているのが印象に残っている。
手の震えが、夜間中学生の話の内容の素晴らしさともう一つあったことを福田さんと岩井好子さんから聞いた。二人とも、スタジオ内でその収録に立ち会っていた。
この日は夜間中学生の話とピアノ演奏をはさんで花菱アチャコ(漫才師)の「お風呂と私」が内容であった。どんなインタビューも時間内に収め、進行することで定評のある鈴木健二さんもこの日はできなかった。予定時間を過ぎても終われなくて、夜間中学生の語りが続いた。手の震えは、夜間中学生に向けた話をどこで合いの手を入れ、話題を変えるか、その迷いの震えであったというのだ。予定時間が半分になってしまった花菱アチャコさんも夜間中学生の話に「ええ話ですな」と話し嫌な顔をしなかったそうだ。

鈴木健二のもつマイクをくぎ付けにした夜間中学生の力は今も変わることがない、夜間中学生一人一人は持っていると考えている。その後それを確認する場面に何度も経験することになる。

[ 2014/02/26 09:07 ] 夜間中学・白井 | TB(-) | CM(-)


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