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「秘密保護法」以前:吉田智弥

2013年12月発行・復刊4号(通算111 号)の
(新)双方向版 「蛇行社通信」( 発行人:吉田智弥さん)の記事を転載します。
 「秘密保護法」以前 がテーマです。


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∞  「秘密保護法」以前

 11月8日の午後、那覇から乗り継いで、宮古島の空港についた。

 尖閣列島に向きあう最前線で反戦の闘いをつづける友人から「一度見に来ませんか」と誘われたのである。出迎えてくれたSさんから、前日の地元紙を見せられた。

『宮古毎日新聞』は「宮古島にミサイル陸揚げ/離島防衛訓練で初/(宮古島内の)自衛隊基地に搬入」。『宮古新報』は「ミサイル連隊が到着/(自衛隊)基地に搬入/反対派住民ら猛抗議」とある。いずれも一面トップの大見出しである。
 それぞれの社会面では、更に大見出しで「『ミサイル配備やめろ』/市民団体が猛抗議/警察が強制排除、現場騒然」(毎日)、「怒号飛び現場緊張/座り込み 港出入口封鎖/警察 力ずく住民排除」(新報)と続く。

この現場(平良港ふ頭)に、Sさんたちが、連日、早朝から坐り込んだのであった。

民間の旅客船で到着したのは、北海道・富良野町に駐屯する第3地対鑑ミサイル連隊と第8高射特科群であるが、この後に予定されている戦闘訓練には、陸海空の自衛隊員34000人が参加する。「事実上の」離島奪還=訓練だという。

 実際に護衛艦を洋上移動させ、レーダーで標的策定をし、実弾・模擬弾の射撃は行わないが、その準備から開始に至るすべての調整訓練を行なう・・・とする防衛省の発表を上記二紙が報じている。それらの記事を読んで身震いがしたのは、日中戦争が勃発した最初の「偶発的な」衝突が頭をよぎったからである。

 1937年7月7日、中国・北京郊外の盧溝橋(ろこうきょう)で演習を行っていた日本軍に対して、「暗闇から一発の銃弾が撃ち込まれた」。先に攻撃してきたのは中国軍であったという理由で(モトヘ、口実で)、一気に戦線が拡大した。わが奈良38連隊が南京大虐殺に加わるのは、その5ヶ月後になる。

更に問題なのは、この宮古島近海における緊迫した事態が、奈良で読める新聞には掲載されていないことである。知らされないから、知らない。知らないこと自体を知らない。どこ吹く風になる。秘密保護法が成立するとそれが日常化するのだろう。

当日の現場の「衝突」を報告してくれたBさんは、警官隊が、自衛隊車輌の前に坐り込む住民に対して「あなた方の行為は道路交通法に違反しています」と言った時に、間髪を入れず、住民側が「あなた方の行為は憲法に違反しています」と返した、という話をしてくれた。「吉田さん、この返し方、本土でも使えるで。いっぺん言うたってや」。

 使える使える。ただ、昨今の奈良ではそうした返し方をする場面がない。言い訳は口に出さなかったが、当方のゆるんだ気分が、琉球弧の人たちをさらに窮地に追いやっていることは間違いがない。「核基地ぬき本土並み」のためには、本土の私たちの闘いが「沖縄並み」にならんとアカンのや。それは、それは分かっているのだが。
[ 2013/12/30 12:36 ] 寄稿 | TB(-) | CM(-)


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