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ことしの一推し―「利休にたずねよ」(山本兼一著者)」:鄭容順

今、市川海老蔵主演の「利休にたずねよ」の映画が公開されて話題になっている。

筆者は映画を見にいく時間がないと考えて山本兼一著者の「利休にたずねよ」の文庫本を1冊購入した。PHP文芸文庫から2010年10月に初版刷されて今年の2013年10月で15版刷である。
この著書は2009年、第140回直木三十五賞受賞した作品、利休に関係する著書は多く出版されているが山本兼一著者の作品はまた違った。高麗女を絡ませて妻との会話が入る物語。恋と茶人・茶頭の美を茶道とそこにまつわる道具などに美を求めた半端ではない美意識が書かれていた。
著書は利休が秀吉の命で自害を迫られて自害をする日、妻との会話から始まる。そして秀吉から見た利休「おごりをきわめ」、それから自害まで、茶室で取り交わしたその様子、利休は武将や僧侶たちなどを茶室からとらえた。細川忠興の「知るも知らぬも」、徳川家康は「本守」、石田三成は「狂言の袴」、織田信長は「名物狩り」、利休は「うたかた」、「こうらいの関白」、「北野大茶会」、「黄金の茶室」などを通して秀吉の人物像などが描かれている。大阪城を築いた秀吉は偉人として日本ではよく知られているが当時の朝鮮半島を侵略したことはそう多くに知られていない。そして利休と秀吉、水と油ほども違う人間性はそう著書には多く出てこなかったが美意識を持った利休と金・銀で権力を誇示した秀吉、秀吉はきらびやかな茶室を望み、利休は狭い茶室に美を求めたその感性に秀吉はついていかれない。こんなことも具体的に書かれて面白い。さらに利休の艶を茶室から芽生えたその独独の生き様を出したこの本、改めて「利休」の茶道になる美的感覚のつみ重ねが見えるようだった。「茶道の美」が少し理解できた。茶をたてる器の美意識も発見した筆者だった。

山本兼一著者が語る著書についてのインタビーのホームページを紹介。
山本兼一著者のインタビユー

2010年に初版が発行されていることからすでに読んでおられるかたもおられるだろう。しかし映画「利休にたずねよ」は市川海老蔵主演で若い人たちには関心があるようだ。ということは山本兼一著者が話す「日本がどんどん遠くなっていく。今の日本に足りない日本的なものは利休、利休を書くことになった」という。日本の美と自然の慈しみを思い起こさせるものだ。
日本の「和食」が世界遺産に登録された。日本の和食は芸術ともいえるきめ細かな工程、利休の茶道と似通う所がある。日本の和食の美はここにもヒントがあったのだろうかと思わせる著書、今年も数々の文庫本を読んだが、今、読んでいる最中のこの著書に深い感銘を受けたので一押しにした。


[ 2013/12/29 16:20 ] 鄭容順 | TB(-) | CM(-)


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