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不定期連載・特定秘密保護法:「沖縄密約」の西山太吉元毎日記者の話(2)  三室 勇

「特定秘密」は、「防衛」「外交」「安全脅威(スパイ)活動の防止」「テロ活動の防止」の4つを対象する、としている。「防衛」での日米軍事一体行動が日常化すれば、明らかに憲法に抵触するような事態が頻発することになる。それを外に漏らさないために一部の者にしか「特定秘密」を扱えないようにする。官僚が内部告発した例が一度もない日本で、一部の上級官僚・政治家しかアクセスできないこの「特定秘密」は完璧に秘匿されることになる。これこそが危険なことなのだ。

表向きと実態とがかけ離れたことの例として、イラク戦争があげられる。日本は、航空自衛隊輸送機を国連の人道支援活動と称してイラクに派遣したが、実態は多国籍軍の武装兵士を戦闘地域のバクダットへ空輸していたことが発覚し、2008年の名古屋高裁で違憲判決が出たことは記憶に新しい。こうしたことが日常化するということだ。違憲状態の日常化であり、憲法の空洞化である。特定秘密保護法は表と裏の乖離を見えなくさせる暗幕として働く。

この法案は外務、防衛、公安(警察)の一部官僚が結束して、時間をかけ練り上げてきたものである。「特定秘密」はその定義の曖昧さから、いくらでも拡大できる。なにを「特定秘密」にするかは行政側の裁量に任されており、処罰対象は公務員だけでなく民間人にも及ぶ。この国は「秘密国家」と化し、民主主義は機能不全に陥る。

多くの国民はこの法案について関心がない。知る権利、取材の自由への配慮など条文に入れたところで、一部の人間しか知ることができない情報を、内部告発もなく知ることなどできないことを認識すべきだ。知る権利、取材の自由はこの法案ではお飾りにすぎない。日本の統治構造がすでに日米軍事共同体へと歩み出ていることが明白になったのは、鳩山民主党内閣の施策への報復としてたちまち首相の座を引きずり降ろされた事実だ。9.11後のアフガニスタン攻撃に求められた自衛艦による米艦艇などへのインド洋上での給油活動をテロ特措法期限切れを理由に停止、撤退したこと、普天間基地移転問題がすでに築き上げられた日米軍事共同体と明らかに離反するものであったからだ。

特定秘密保護法案は国会での多数を占める与党によって成立することになろうが、世論の反対がどこまで広がりを見せるかは新聞などのマスメディアの責任が大きい。せめて、この法案に対抗できるような情報公開法の改正が目指されてしかるべきだ。(つづく)
[ 2013/11/02 07:58 ] 三室勇 | TB(-) | CM(-)


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