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夜間中学その日その日 (319)   守口夜間中学 白井善吾

修学旅行で夜間中学訪問
島根県の2校の中学から守口夜間中学は今年も訪問を受けた。仁多郡横田中学(9月25日)と益田市小野中学(9月26日)だ。
朝早く学校を出発、奈良や京都を訪れた後、守口夜間中学に午後4時半に来校。夜間中学生の説明を聞く。その後4~5人に分かれ教室に入り夜間中学生の横に座って夜間中学の授業を体験する。そして夜間中学生と交流会を行う。こんなプログラムで、8時過ぎまで夜間中学で学習体験を行った。


25日、中国からの引揚げ帰国した夜間中学生が学ぶクラスで、私は日本語の授業を行った。日本語が十分に理解できない夜間中学生を相手に、言葉が通じない時どのようにして意思の疎通を図るか?そんな体験を来校者にしていただきながら、ゆっくりと授業を進めていった。
「私の名前はOOです。OO年O月中国のOOから日本に来ました。今、守口夜間中学で学んでいます」夜間中学生はゆっくりと話しながら、横に座った来校者に自己紹介をしている。さっそく、地図帳でその場所を確認するのだ。遼寧省瀋陽の近郊の街がEさんの故郷だ。虫眼鏡越しに鉛筆の先がEさんの故郷の地点を指し示し「ここが私の故郷です」と話している。
続いて横田中学の場所を地図帳で探した。そして夜間中学生が質問した。「あなたの町は何で有名ですか?」中学生から出てきたのは、米と鉄と算盤が返ってきた。棚田で作ったコシヒカリ・「仁多米」と古代日本の製鉄・たたら製鉄、そして雲州そろばんである。
夜間中学生がどうして今夜間中学で学んでいるのかを書いた文章を発表した。「日本は中国や世界と戦争しました。1945年8月15日、日本は負けました。その時中国東北部(満州)には27万人の日本人が帰国できませんでした。大変苦しい生活をしていました。生まれた国・日本に帰りたいと希望していましたが、亡くなった日本人が多くいました。私の母も、48歳で死亡しました。私は2008年帰国しました。いま夜間中学で学んでいます」。この文章を読んで、時間が来てしまった。来校者はこの文章をどのように受け取ったのだろう。
続いて夜間中学生と来校者が向き合って座り、全体交流が始まった。司会は来校者がおこなった。横田中学の紹介ではカタクリの花が咲き乱れる船通山の里山。「この根からとれるのが本当の片栗粉です」中学生のナレーターの説明が入る。夜間中学生もうなずいている。この夏に体験実習を行ったたたら製鉄の映像が動画で流された。
発表の最後は「我等横中生徒」の群読だ。紹介する。

      吾妻山は 質実剛健の意気を見せ
        三井野原に 自立と忍耐の花開き
          横田盆地に 友愛と協同の気ただよう
            船通山は 進取創造の昔を語り
              斐伊川は 無心に流れ奉仕してやめず

      我等横中生 横田を学び 横田で学び
        たくましきからだと 豊かなる心持ち
          きょうを励まん あすを拓かん

きれいに澄んだ声が奥出雲の風景に重なって夜間中学生に聞えたのではないか。
夜間中学を訪問した感想を語った。「めんどくさくていやな計算も、一緒に計算した。勉強の楽しさを思い出させてくれた時間でした」「夜間中学生の皆さんが授業を楽しく学んでいることにびっくりしました」。
質問もあった。
「夜間中学のよいところは?」
―年代も違う。教えたり、教えてもらったり、和やかに勉強ができるところ。
「学校がいやになったことはありませんか?」
―ないです。楽しく勉強ができます。
「通い始めていちばんうれしかったことは?」
―夜間中学生が作った野菜を収穫し、みんなで作って食べた食文化交流会。勉強もたくさん学べて喜んでいる。共同作品の中にある歌「学び舎に80歳の新入生」はこの方が作られました。
「今日の交流会、一緒に勉強できたこと、楽しく学ばれていて、こちらも楽しくなってきました。40周年を迎えられるとのこと、横田も去年40年を迎えました。訪問の記念に私たちが算盤玉で作ったストラップです。うけとってください」
渡された手作りの贈り物は一つ一つ袋に入り、「40周年おめでとうございます。勉強がんばってください」とメッセージが書かれていた。
そしてさわやかに学校を後にした。心が洗われたのは私だけではないと思う。この日、別に17人の訪問者があった。大阪府教育委員会や府下の教育委員会の行政担当者である。訪れどんな感想を持たれたのか夜間中学生に感想を届けてもらえないだろうか。
[ 2013/10/19 17:56 ] 寄稿 | TB(-) | CM(-)


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