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 夜間中学その日その日 (316)    平田滋典

忘れてはいけないことば              
今年、守口夜間中学は開設40周年、節目の年を迎えた。11月2日には「開設40周年記念の集い」、11月8日は「夜間中学の公開授業」を企画している。また40周年記念誌の編集作業に取り組んでいる。元気が湧き上がる取り組みをめざしていきたい。
そして卒業生、元教員から、記念誌掲載原稿から、執筆者の了解の得られた文章をこの欄でも紹介させていただく。(白井)


忘れてはいけないことば               平田滋典
先日、ある人に夜間中学生の詩を紹介した。その人から「この『一文字覚えるたび世界が広がっていく』って言葉、いいですね」と言われた。夜間中学から離れてもう4年が経つが、夜間中学生の言葉は今でも私の心に響いている。現在、私は小学校に勤務している。仕事で行きづまったとき、夜間中学生の言葉は私に進むべき方向を照らしてくれる灯である。
私は夜間中学生の言葉で「忘れられないことば」がある。
「先生、プリントくばられたとき、わたしの目の前には、でっかい山がそびえ立っているんです。登っても登っても不意に突き落とされる。文字の山はそんな山です」
これは「守口夜間中学いろはかるた」の中にある「るんるんとすすんでいこう文字の山」というのを授業でおこなったときだ。この生徒は夜間中学に来る前、字が読めなかったため、電車に乗って改札を出るとき止められるのが嫌で、いつも多めに運賃を払って切符を買っていたという。プリントに書かれた文字を、でっかい山と捉えて突きつけられたとき、わたしは衝撃を受けた。そして、この言葉は子どもたちの前に立つとき、私にとって「忘れてはいけないことば」になる。
私は毎年4月、学級を開くとき唐突に「人はどうして学ぶのだと思いますか」と子どもたちに尋ねる。私はこの問いの答えを夜間中学で学んだ。学んだというより、夜間中学で過ごす過程の中で自分なりの答えが不意に浮かんできた。それは「幸せな社会を作るために人は学ぶ」ということ。「差別のない社会を作るため、病気で困っている人が救われるため、人々の心配、不安がなくなる社会を作るため、人は学ぶんだ」と思った。この考えは夜間中学生と授業や取り組みを活動していく上で、あるとき不意に思いついた。夜間中学がこの答えを教えてくれたのである。
私が中学二年生のとき、視聴覚行事で「もうひとつの教室」という夜間中学の劇を見た。心が震え、揺さぶられ、その瞬間から「僕は先生になろう」と思った。そして、守口に夜間中学があることを知った。その守口夜間中学校が40周年を迎える。守口夜間中学は私より1つ年上の先輩である。この先輩は私の師であり、そして、よきライバルである。この師に、はずかしい姿は見せられない。このライバルに成長した姿を見てもらいたい。守口夜間中学は私にとって特別な学校であり、大げさに聞こえるかもしれないが「生命をかけても守りたい」学校である。
[ 2013/10/04 06:05 ] 寄稿 | TB(-) | CM(-)


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