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コラム風「泉田新潟県知事に何があったのか ~原発再稼働と民主主義の危機~」:南亭駄樂

柏崎刈羽原発の再稼働に反対していた新潟県の泉田裕彦知事が一転して「規制基準適合申請」(マスコミは「安全審査申請」としているが、知事の主張に従う)を容認したというニュースが流れた。実際、東京電力は9月27日、柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働に向けた審査を原子力規制委員会に申請した。

「理路整然と東電の論理の破綻を指摘していた知事がなぜ?」という疑問がマスコミにもネットにも広がっている。「泉田知事は変人だ」というネガティブキャンペーンがなされ、知事が車につけ狙われたという話もある。原発推進という国策のために理不尽な攻撃がなされたとすると民主主義の崩壊でもある。県民の命と安全を守ろうとする泉田知事とその周辺で何があったのだろうか。


産経新聞(電子版2013年9月27日)は「再稼働反対だった新潟県知事が一転、審査を容認したのはなぜ?」というタイトルの記事を書いた。そこには「安全審査申請を一転して容認したのは、東京電力側が、事故時に格納容器の圧力を下げ、放射性物質の影響を低減させるフィルター付きベント(排気)設備の二重化など対策を強化するとともに、地元との信頼関係を重視する姿勢を示したためだ」とある。また、次のようにも解説した。
 「地域経済の苦境を受けて、県議会最大会派の自民県議らを中心に『救済策の検討が必要だ』との声が強く上がり、知事を動かす要因になったとみられる。」
 確かに、地元の経済界からの強い要望はあっただろう。大飯原発の再稼働に反対した滋賀県の嘉田嘉子知事は強いプレッシャーを受けたことを明らかにしている。しかも、それは関西電力が業者を一軒一軒回って「電気を止める」と脅したことによるとも言われている。それと同じようなことが新潟でもあったことは容易に想像できることだ。

 泉田知事の原発再稼働に対する考えは、ネットで見ることができる。一つは、知事自身が設定した9月5日の「メディア懇談会」の記録。
泉田知事の原発再稼働に対する考えは

全文書き起こし

http://17enjoylife.blogspot.jp/search/label/%E6%96%B0%E6%BD%9F%E7%9C%8C

内容に関するブログ記事「晴耕雨読」

である。
 この中で、記者の「前福島知事の佐藤栄佐久さんは、逮捕起訴されたが、もしかして、第二の佐藤栄佐久知事になるという不安は、一瞬はちらついた事はないですか」という問いに、泉田知事は「いや、感じた事ありますよ」と答えている。検察が動いているという話もあり、原発推進に邪魔になる首長を国策捜査の対象にするとなると、これは民主主義を冒涜するものである。恐ろしい話だ。
 9月7日のIWJのインタビューのあと、泉田知事が「ここまで言ったら危ないかも」と呟いたという。そして、「消されたり、自殺したり。でも、僕は自殺しませんから。遺書が残っていても、自殺ではない。もし僕が自殺なんてことになったら、絶対に違うので調べてください」とも言った。これは、何を意味するのだろうか。

 泉田知事の原発再稼働に関する考えはこれらのインタビューを聞けばはっきりしている。

「(原発は)電源確保すれば安全になるというようなトーンで、世の中動いていると思いますが、今回の東電福島原発事故の本質は、津波事故でもなければ、電源喪失事故でもない。一番の本質は冷却剤喪失事故なんです。即ち、冷却に失敗すると、閉じ込めに失敗して、放射性物質を大量飛散し、地域に重篤な影響を与えるというところが本質なわけです。この本質的なところに対する対策をどうするのかという議論をした上で、国民的議論に移るべきだろうと思っています」
 「2号機が最も多く放射能を放出しているわけですが、何故大量放出したかというと、格納容器が破壊されたからです。何故破壊されたかというと、ベントが出来なかったからです。では、ベントは何故出来なかったのか、それに対する対応をどうするのか。今回の規制基準を当てはめると避けられた事故なのかという検証も一切してないわけです」
「規制委員会が行っているのは、原子力発電所の性能基準を審査するだけということになっているので自治体からの意見も聞かない。柏崎刈羽の火災事故のあと、何があってどう困ったのかっていう経験談も聞かない」
 「(東電が審査を受けることも駄目なのかという問いに)協定破りだからです。安全協定結んでいたのに、協定を破りたいって人を信頼出来ますか」
「(原発事故時)アメリカは80kmを避難区域に設定して、徐々に制限を解除するという合理的な対応をしたが、日本政府はむしろ、2km、5km、10km、30kmと広げていくという対応しましたよね。また、こういう対応をやるのか、疑問です」

 このほか泉田知事は、住民の安全が第一であるとして、原発の問題を指摘している。なのに、東電の申請を認めてしまった。そこには底知れぬ圧力がかかったのであろう。私たちは、知事の立場として従前の姿勢を堅持することを願う。それには、原発推進のあらゆるプレッシャーをはねのけられるような社会の規範を作っていかなければならない。それが泉田知事の住民側に立った姿勢を応援することになるだろう。

[ 2013/10/02 08:17 ] 渡辺幸重 | TB(-) | CM(-)


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