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夜間中学その日その日 (314)   守口夜間中学 白井善吾

自然の中の酸とアルカリ
40周年記念行事の日が近づいている。その準備も一方で取り組みながら毎日の学習も進んでいる。9月になって登校始めた夜間中学生とのしばらくぶりの挨拶だ。「この夏はおかしな天候でしたなぁ。あちこちで竜巻が起ったり、ゲリラ豪雨。しかし、これで田圃の水の心配もなくなったでしょう」。

授業の中で稲の成長ぐあい、農作業とともに、水源である、山池の様子も話をしているから、夜間中学生は廊下での挨拶でこのように話してくれた。「被災地には悪いけど、恵みの雨でした。17日間降らなかったから、からからでした」。このように返事した。
2学期の学習展開は「自然の中の酸とアルカリ」の学習を考えていたが、夜間中学生とのこの会話で授業の導入を変えることにした。
空のペットボトル(500㏄)を用意した。そこに水を入れ重さを量った。
「重さはいくら?」、手でもって感覚を確かめ、答えてもらった。「300g」「500g」「500gよりちょっと重い」と3種類の答えが返ってきた。上皿秤にのせ、確かめると、「500gを少し超えた」。「入れ物の重さがあるからや」と解説が入った。
水の場合体積と重さの数字は同じと考えてもよい。ペットボトルに入れた水は500gと考えられる。このペットボトル2本分の水は1000㏄、1ℓで1000gそして1㎏になる。10㎝の立方体を定規を使って書き、この立方体に入る水の体積は1㎤の立方体が縦に10個、横に10個、上に10段並ぶから全部で10×10×10=1000個並べることができるので1000㎤そして1000㏄で1㎏。
次に新聞記事を読んだ。「西日本は25日、前線が南下して大気の状態が不安定となり各地で記録的な大雨となった。1時間当たりの雨量は島根県の益田市で87ミリ、西宮市で78ミリ、大阪市内で49ミリとなった。特に10時55分までの10分間に27.5ミリで1937年に観測を始めて最大であった」(毎日新聞2013.8.26)。
そこで次の質問をした。「この雨が10分間、夜間中学に降ったとき、降った雨の体積(ℓ)と重さ(㎏)を求めよう。小中統合校になったときの学校の面積は16128㎡です」
式を書いて計算を行った。計算の結果は806400㎏となり、806.4トンとなった。
「これは10分間に10トントラックで80台分の雨が降ったことになる」。
―「そら大変やわ」「最近こんな降り方の雨が多すぎる」「ゲリラ豪雨」「ゆっくり降ったら、何とかなるけど、いっぺんに来られたら処理できない」
夜間中学生はいろいろ話した。
「しかしこの雨の素はどこにあったのだろう?」と続けてたずねた。
―「湿気」「雲」「空」。
「降った雨はどうなるの?」
―「地面にしみ込む」。「川に流れていって、最後は海に流れ込む」。「そして蒸発していく」。「雲ができて雨となってまた地上に降ってくる」「これを繰り返す」「循環する」「人間や生きているものすべてのいのちの源になる。水がなかったらみんな死んでしまう」「汗や尿として体の外にだす」「出た水分はまわりまわってまた体に戻ってくる」「地下水もすごいらしいで、フクシマ原発の下を通って放射能を含んだ水が海に流れ出ている」‥
話がつながる。夜間中学生の発言を受けて、別の夜間中学生が考えを述べあうのだ。
頃合いを見て、「この循環するもとになるのは何?
―??
「にんげんですか?」
―にんげんはえらそうなことを言ってもそれはできません。自然です。
―自然やろうけど、その中でも太陽とちがいますか。
話しが落ち着いたところで、『自然の中の酸とアルカリ』(岩波書店)の中にある水の循環を描いた挿絵を見ながら考えを各自の文章にまとめた。
[ 2013/09/21 12:25 ] 寄稿 | TB(-) | CM(-)


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