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夜間中学その日その日 (310)   守口夜間中学 白井善吾

ミニ教研IN福島 (その①)
今年で18回を迎えるミニ教研がフクシマの地で開催された。(2013.8.1~3)全国から50人を超える人たちが手弁当で集まってきた。小中高校大学の理科教員を中心に一般社会人の参加もある。日教組全国教研理科教育分科会だけでは議論尽くせない内容を掘り下げ議論しようと全国持ち回りで開催されている。
3日目は開催地のフィールドを訪ね学習を重ねている。熊本水俣病、阿賀野川有機水銀中毒(新潟水俣病)、三井三池炭鉱、大阪で開催した時は、リバティー大阪、夜間中学、屯鶴峯 (どんづるぼう)地下壕を案内した。今回は東京電力福島第一原発近くの学校福島県南相馬市立小高中学校の仮設校舎を訪問、交流をおこなった。
福島駅に降りたち、すぐに目に留まったのは放射線量測定器だ。その数値は0.22マイクロシーベルト/時(大阪では0.06)大阪の約3.7倍、依然高い数値を示している。
福島駅前自主夜間中学が行っている夜間中学校展を見学した。何人かの見学者が大坂忠さんの写真に見入っている。主宰している大谷一代さんと話した後ミニ教研の会場に向かった。
ミニ教研では「減思力を防ぐ」後藤忍(福島大)、「近代医学のリスク言説」佐藤純一(前高知医科大)、「原子力災害が意味するもの―未来の皆さんへ―」山口幸夫(原子力資料情報室)、「放射能教育について」福島・岩手・教育総研など3つの講演と16本の報告が行われた。私は日教組教研の流れとまとめの報告をおこなった。
福島県教組からは「福島原発事故」という用語は私たちは使わない。「東京電力福島第一原発事件」だと指摘があった。その上に立って「今回の事故、放射能拡散の責任は原発を推進してきた東京電力はもちろんのこと国や県に責任があることは明らかです。にもかかわらず、国や県は放射線による健康影響を「不安」に感じる県民の心のありようの問題・「心の問題」に置き換えようとしている。さらに、福島県民に対する人権侵害以外の何ものでもない。人権の回復は人権を侵害された人々が団結し、声をあげ、闘って勝ち取っていくものだ」と報告した。
佐藤純一さんは医療社会学,医療思想史が専攻である医者で、「自分の関わった医学はおかしいと思い、大学を離れ、批判する医学として外から行動している」「個人、家族、コミュニティーが国家権力に蹂躙された」例として、「東京電力福島第一原発事件」の放射線被曝をとりあげた。
山口幸夫さんは「フクシマは日本社会の崩壊をあらわにした。そして社会が成り立つ責任と信用の概念が喪失した」このような現状認識をもっていると述べた。「誰も責任を取らない。制御できない原発は暗闇の無人飛行である。情報の後出し、隠ぺい、改ざんは決定的な信用の失墜につながった」と指摘した。そのうえで、理科の分科会で議論してきたハードパスからソフトパスへの議論に加えて、ソフトパスと「倫理」の関係を明らかにする必要があると指摘した。
ここで云うハードパス、ソフトパスは次のように考えている。
一つは大量のエネルギーと資源を消費し生産をあげる、そして進歩・発展こそが人類の未来と信じられていた。この考え方がハードパス=進歩のための科学。一方、資源の枯渇・エネルギーの危機を全地球の問題と考え、人間の叡智で対処する、何よりも環境に負担をかけないようにする、そういう立場がソフトパス=市民のための科学として理科教育分科会では議論してきた。
62次の日教組教研理科分科会では「今学んでいることが、東京電力福島第一原発事件にどのようにつながる学びなのかに授業者は拘り」、「学びは運動につながり、運動は学びを育てる」そんな授業展開が重要でないのかという議論をおこなった。
原子力発電にNOを突きつけるのは、市民である。その決定をするのは教室で学んでいる眼の前の子どもだ。その子どもたちに届くソフトパスの理科の学びが重要だという議論を行っている。(つづく)



[ 2013/08/25 22:45 ] 寄稿 | TB(-) | CM(-)


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