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Book 「静かなるレボリューション」:片山通夫

小貫伊藤著作
 インターネット上で読める「虚構新聞」という名の新聞がある。その名の通りあくまで《虚構=嘘》の情報などを扱っている。その新聞に次のような記事が掲載された。
「山手線、日暮里エクスプレス開業へ 来年3月から」
 記事の要旨は、山手線・日暮里―西日暮里間をノンストップで走る超特急「日暮里エクスプレス」を来年3月のダイヤ改正に合わせて開業させるとJR東日本が発表したというもの。
 日暮里駅の隣の駅は西日暮里駅である。しかし山手線は環状線である。一周回って隣の駅である駅まで27駅・約60分かかるので、乗客の利便を考えて日暮里エクスプレスを走らせるというものだ。隣の駅に行くのにである。


 冒頭につまらない事を書いた。しかし、この記事は現在の《無駄》を的確に表している。
利便性を追うだけのために、壮大な無駄をしているのが現代社会だと、痛烈に批判した記事だと筆者は感じだ。

 さて本論だが、本書は「グローバル市場原理に抗する静かなるレボリューション 自然循環型共生社会への道」と題する368ページ・A5版のたっぷりと読みごたえのある本である。著者は小貫雅男、伊藤恵子の両氏。小貫氏は、滋賀県で《里山研究庵Nomad》を主宰している。伊藤氏はNomadの研究員。小貫氏の専門はモンゴル近代史、伊藤氏のそれはモンゴル遊牧地域論。
(詳しくは文末参照)

 本書のタイトルの頭に「グローバル市場原理に抗する」とあるように、アベノミクスの危うさ、無駄、3・11以後のわが国、政・官・財界がとった行動や発表した指針を、著者たちが提唱する「菜園家族」運動に照らして、如何に奇妙な行動であり、また提唱だと、痛烈な批判を繰り広げているのが特徴だ。

 本書からプロローグ(39ページ)に書かれているほんの一部を紹介したい。
「私たちは今から十余年前の2000年に、21世紀の未来社会論として「菜園家族」構想を初めて公表した。2001年からは、滋賀県の琵琶湖に注ぐ犬上川・芹川の最上流、鈴鹿山中の限界集落・大君ヶ畑(おじがはた)に里山研究庵Nomadという拠点を定め、彦根市、多賀町、甲良町、豊郷町の一市三町を含むこの森と湖を結ぶ流域地域圏を地域モデルに、農山村地域とその中核都市の調査・研究に取り組んできた。(中略)本書は3・11を機に近代文明終焉の分水嶺に立たされたまさに今、この「菜園家族」構想の意味するところを改めて吟味し、今日の新たな時代状況を組み込みながらまとめたものである」

 著者たちの提唱する「菜園家族」構想をここで説明するのは難しい。
著者たちはいう。「“菜園家族群落”による日本型農業の再生」の必要を。そしてその解が本書に書かれている。
 そして今のわが国の情況、新自由主義をあがめ、戦争のできる普通の国を目指そうとしている政・官・財への辛辣な批判が本書を書かれた両氏の原動力だと筆者は読めたのだが。

略歴S


【参考】
発行:お茶の水書房 
定価:3990円(本体3800円+税)
ISBN:978-4-275-01035-3
発売日:2013/06
[ 2013/08/21 13:27 ] 片山通夫 | TB(-) | CM(-)


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