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8.15 エジプトの民衆の虐殺を止めたい!平和と非暴力を!:北口学(大阪芸術大学 教員

 24時間前に始まったエジプト政府治安部隊の強制排除・弾圧によって親戚と親友が死亡した悲しみに暮れるエジプト人の知人を車に乗せて新御堂筋を走る。曾根崎警察署に道路使用許可を得る為に。この土曜日、福岡、広島、名古屋など各地と連動した在日エジプト人たちの街頭アピール「非暴力・平和・民主主義を近畿在住エジプト人たちが実施する」ために。

 いつもは陽気で優しい微笑みの彼、表情は堅く悲しみに沈んでいる。

 数日前のエジプト情勢は土曜日に座り込みの平和的な講義活動。しかし軍との緊張状態が高まりつつあった。モスクでのお祈りの後、「相談したい事がある、力を貸して欲しい」と語りかけて来た彼。その時点では「月末か来月頭に非暴力で平和的な解決を求めて日本からアピールの集いを開催したい」という計画だった。
 それが昨日、急展開。流血の弾圧、おびただしい死者の流血でエジプトの首都カイロの街は血塗られた。国際ニュースで流れてくる映像は修羅場でむごたらしいものだった。

 その群衆の中に被害者である彼の知己がいたのだ。

 風雲急を継げる昨日、今日。次の日曜日には日本全国でアピール活動を行った在ニッポンエジプト人たちは東京に結集する計画だそうだ。在日エジプト大使館前で「非暴力と対話」を求めるアピールだそうだ。

 CNNやBBCでは昨日からトップ・ニュース。当初政府発表15名の死者という報道が昼頃には300人、夜には500人以上と。

 しかし現地から助手席に座る友人の膝の上のiPadにはFacebookを通じて届き続ける写真。おびただしい数だ。悲惨な光景。

 民主的選挙で選ばれた大統領に対して軍がクーデター、それに対する平和的抗議行動(座り込み)を続けていた人々の死者は夕方の段階で報道と大きく食い違い2000名を越えていると。車いすの狙撃された男性、ヘリコプターからの狙撃などマスメディアが伝えない情報が山のようだ。政府見解やアナウンスにはほとんど真実がない。
 アメリカはこの政変を「クーデター」と呼んでいない。明らかな軍事クーデターと思えるが、、、。イスラエルへの配慮、石油資源、親米政権だからと軍寄りの立場など米国のダブルスタンダードに怒るムスリム同胞団の人々は多い。いや、それは全イスラム教徒の共通意識のようにも思えてしまう。沈痛な横に座る高学歴で温厚、優しく、仲間思いで、在大阪のエジプト人コミュニティの中心人物の表情は沈痛だ。アメリカが軍事政権を支えている事は誰もが知っている。このような深刻な人権侵害、人道への罪に対して煮え切らないアメリカ政府オバマは経済制裁も兵器供与に関しても言及していない。軍事演習の延期ていどか?

 歴史的に見て、非合法であったムスリム同胞団は合法化の後、貧困層への支援や教育などの草の根的な活動を継続、市民の多くの支持を得て来た。
 エジプト経済は軍が大きな利権を牛耳っている。貧富の差は大きく、軍が配分する利権によって軍政寄りの市民もいるようだが、ムスリム同胞団は冨の公平な配分や民主化を求め、世俗的な軍政から脱却しようとする側の人々の地道な動きの中心組織であった。過激なテロや武力路線からは一番遠い、民衆と共に進んで来た丸腰の組織が、平和的な座り込みという手法で講義の大衆行動を展開している中で、親米の軍部を中心とした政権から弾圧されたように思える。
 観光業や製造業、ホテルや貿易なども経営や所有は軍という、ちょっと他国では考えられないほどの奇妙な、強大な政治・経済・軍事などの強権を独り占めしているのがエジプトの社会、エジプトの軍。

 「エジプトは日本の太平洋戦争前のような政治情況なんだよ。東条英機が総理大臣だった頃みたいな。」
 「いままでエジプトが直面してきたどのような戦争よりも大量の市民が死んだ歴史的な悲劇なんだよ。」
 私は、「このような対立と犠牲は数十年も心の傷や対立は尾を引くよね。」と。
 友人はシビル・ワー(内戦)という最悪のシナリオを懸念。
 国際ニュースでは既に英国やフランスなどでエジプト人たちが「非暴力・対話」を求めて集会やデモ、アピールを次々に開催して、現政権への非難の声を国際的にあげている。
 欧米のメディア、日本のメディアも歯切れ悪いながらも現軍部掌握政権への非難の論調に徐々になってきた。
 穏健派の多いイメージのスンナ派の組織らしいムスリム同胞団はテロリスト集団でも過激な原理主義運動でもないらしい。知識人層や高学歴のエジプトからの留学生たちにも支持者は多いようだ。平和的な抗議行動に対する血の弾圧と非合法化が新たなテロや過激な行動へ追いやって行くように思えてならない。
 軍と癒着する事で得て来た既得権を守ろうとする市民も少なからずいる。世俗的な親米的な軍と臨時政権に対する批判が膨大な人々の平和的な抗議行動となっている。
 そこへ治安維持軍隊が暴虐の弾圧を行った。
 最近エジプトにはリビアからの火器・武器が市中に流入してきているという。シリアのカダフィ体制を打ち倒したアメリカの動きを想起しながら、多くの火器や兵器が反カダフィ精力に流れたのだろう。それが隣国エジプトに流入しているという事か。市民と市民の流血の賛辞、内戦へと悪化してゆく懸念を拭いきれない。助手席に座るエジプト人の大学教授も沈痛な表情だ。
 日本国内では8.15の特別番組が。今年の私の8.15はエジプトの流血や混乱を悪化させぬための出来る事をしようと、傷心のエジプト人と動き回る1日だった。

[ 2013/08/16 09:54 ] 寄稿 | TB(-) | CM(-)


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