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コラム風「原発事故の、あのときを思い起こそう」:南亭駄樂

 安倍首相は原発商人となって世界を駆けめぐり、電力会社は原発を再稼働させようと申請し、原子力規制委員会はそれを認めようとしている。一方、福島第一原発では事故の収束に至らず、放射性物質を出し続けている。このままだと、日本列島は国内と海外の双方から出る“核のゴミ(放射性物質)”でおおわれ、事故の恐怖のなかでにっちもさっちも行かない状態になる。2年前の福島第一原発事故をリアルに思い起こしてほしい。忘れないでほしい。そうすれば原発のない社会が、私たちに必要な社会だということがわかるだろう。

 東京新聞は平日の朝刊で、東電のテレビ会議システムに収録された事故時のビデオを活字で紹介する連載「ビデオは語る 福島原発緊迫の3日間」を続けている。7月5日で173回に達した。
 172回は「2011年3月14日午前3時46分~」の記録だった。1号機爆発から3号機爆発に至るまでの緊迫したやり取りがそこに記述されている。

 正門にあるモニタリングポストの計測結果を福島第一原発にいる社員が報告する。
「2時20分、751。2時30分、4133」
 吉田昌郎所長「うわあ」
――所長が悲鳴をあげた。それはそうだろう。1時間に4,133マイクロシーベルト、すなわち約4ミリシーベルトというとてつもなく強い放射線なのだから。

 そういう中で本店社員は言う。
 「(大熊町役場職員から)3号機も爆発する恐れがあるか答えを求められています。TAF(核燃料が露出を始める水位)状態で、可燃性ガスが漏えいしている可能性が否定できない。その可能性も考慮して安全優先に取り組んでまいりますと回答したい」
 続いて本店高橋明男フェロー。
 「一般的にこういうのを書くときは『否定できないと考えております』だよね」
 さらに、本店社員。
 「それ以上は何も言えない」
 高橋フェロー「対策もどきをさ、防止措置についても検討を進めているとかさ。これ書けないのかな?」
 本店社員「書けないというか、厳しいというか」

 極限の状態でも、東電の人たちはなんとか取り繕おうと会話を続ける。外部に大量の放射能を撒き散らし、自分達もとんでもない高線量の放射線に取り込まれた中で、一体何を取り繕おうというのだろうか。

 この連載を読んでいると、原発事故を起こした現場が、まったく予想だにしなかった緊急事態に右往左往している姿がよくわかる。
――電源がない(車のバッテリーを探す)、消防車がない、やっと調達したと思ったら運転する人がいない、水が足りなくなる(海水を使う)、水を入れようとしても入らない、計測器が故障して原子炉内の水位がわからない、・・・・

 溶融した核燃料がどうなっているかについてはいまだにわからず、いつ核燃料を回収できるか、見通しは立たない。いまも、強い放射線を浴びながら原発労働者は働いている。この人たちの働きがなければ、核燃料はいつまた暴走しないとも限らない。

 私たちは、福島第一原発の現状に思いを馳せ、事故当時の、あの恐怖とえもいわれぬ虚脱感を思い出し、常に追体験をしなければならない。人間は忘れやすい動物だからだ。
 いまも多くの人たちが故郷に帰れず、避難生活を続けている。人類は、原発という永遠に未完成の科学技術を捨てなければならない。原発輸出や再稼働を諦め、いかに危険を最小化して廃炉にするべきか、真剣に取り組まなければならない。
[ 2013/07/05 23:59 ] 南亭駄樂 | TB(-) | CM(-)


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