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メデイア・ウオッチング「さらに記事は深めて、そして主張すべきものだ」:川瀬俊治

今日の朝日新聞朝刊で最近目立つ極右勢力が「朝鮮人殺せ」とかの憎悪・抹殺表現をいさめて「差別を許さないという姿勢を、政府が先頭に立ってほしい」と書いた。取材を続ける記者がわかりやすく時事問題を解説する「わからん」と名付けた記事のコーナーで書いたものだ。「ヘイトスピーチ何とかならないの」との見出しだ。

記事はこうある。「被害の実態を、政府はきちんと調べたらどうかな。刑罰が難しても、行政的、民事的な手法で被害を防ぐ工夫はないか。包括的な人種差別禁止法を作れと、日本は国際人権機関から何度も指摘されている。差別は許されないという姿勢を、政治が先頭に立って示してほしいね。」

人種差別撤廃条約を批准した日本は差別表現の禁止などを含む4条規定を保留しており、差別禁止法はなく、最初にあげた表現が大手を振ってデモなどで語られている。この状況を丹念に取材した記者がいたから解説コーナで書けた。新聞の主張としては当然のことだ。どんどん取材を深めてほしい。

橋下大阪市長の日本軍「慰安婦」問題(橋下市長は「従軍慰安婦」と表現している)では、もっといろいろ書けるのに意外とおとなしいのではないか。同じく今日の朝刊だが、「従軍慰安婦」と「性奴隷」は違うと、橋下市長は発言していたが、事実報道だけでは迫力がない。言論としての。

「性奴隷」はその実態があまりにもひどく奴隷状態ともいえるため、国連のマクドゥーガル報告書で最初に指摘した。この表現は欧米では日本軍「慰安婦」の実体を示すものとして広く使われるようになった。「従軍」、即ち「軍に従い慰安のために赴いた」のではないのだ。

用語がこれまでいろいろあったものが 日本軍「慰安婦」とか日本軍「性奴隷」とかいいう用語になった。実態を反映した言葉だ。「これ常識です」とは解説では書けないか。あるいは社会面のサイド記事では書けないのか。そこまで書かないと言論の姿勢はだめだ、とは思うのだが。

ただ「性奴隷」ではないとみる橋下市長は日本軍「慰安婦」問題での強制連行説を否定する方に軸足を置いたことがわかる。否定した場合、新聞は「甘言、詐欺」で「慰安所」に送られ、監禁、監視、暴行を受けた被害が、強制連行ではないのか。狭い範囲での強制連行解釈でいいのか。世界は日本の人権観を注目している、とは書けないものなのか。橋下市長が官憲の直接連行の資料がないと発言した安倍首相と同じ立場だということが見えてくる。
[ 2013/05/21 23:03 ] 川瀬俊治 | TB(-) | CM(-)


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