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コラム「風」橋下市長の発言の核心は 被害者への強制連行 をどうとらえるかにある:川瀬俊治

橋下大阪市長が17日のMBSの朝の番組に生出演していて、この間の発言について本人からの声を聴くことができた。朝からほんとに元気がいい人だ。それは別の問題として、彼の言っている問題で日本軍「慰安婦」問題について言うとこういう発言だった。


「私は従軍慰安婦制度をいいと言った覚えない。そうではなく戦争をした国で世界中で類似したものを持っていた。それらの国が自国の歴史を直視することなく、なぜ日本だけが性奴隷制度を反省していないかといわれるのか。おかしい」

だいたいそういう発言の趣旨とみていい。ここで問題点は日本軍「性奴隷」という言葉と日本が責任を問われているという2点だ。まず日本軍「性奴隷」は国連の人権小委員会が定義したもので、2000年12月に東京で開かれた国際民衆法廷でもその定義が判決が下された。

問題は次ぎの核心部分である。この日本軍「性奴隷」制度で日本がなぜ責任を問われているのかという点だ。それは国の関与があり強制連行がなされたから、日本の国家の責任を問わねばならないということだ。

ところが安部首相は「強制連行が認める資料はない」という2007年の日本政府の答弁主意書の結果を踏まえて、「93年の河野談話を見直すべきだ」との考えに至るのだ。今回政権与党は河野談話の否定は引き込めたが、一方で盛んに「強制連行の裏付ける文献資料はない」と語り続ける。引き下がろうとしない。

政府与党の国の責任の定義は、軍の関与(それも積極的なとは言わない)があっても国の意志としてなされた公文書がないから、強制連行は認められないし、だから河野談話は容認できない、となるわけだ。安倍首相の本音だろう。

橋下市長が指摘する日本軍「性奴隷」にした責任がなぜ日本だけが問われるのかである。日本が国家としていまだ被害者に公的謝罪、責任者処罰など果たしていないから責任を問われているという結論になる。そこで橋下市長に対して「国家としての戦後補償をしていないから問われ続けるのだ」と反論できる。

しかしその前にクリアーすべき問題の核心は強制連行か否かなのだ。

安倍首相は2007年の答弁主意書により強制連行と認めないし、橋下市長もそのことをMBSの番組で語っていた。しかし被害者の声を聞けばわかる(『20年間の水曜日』東方出版)。騙され兵站基地に送られ、それまでの途中でも暴行をうけ、慰安所では監視の目が光り、逃走などできることなく縛り付けられた。甘言、詐称、強制収用、レイプ……。この慰安所に運ばれるまでの経緯と慰安所での監禁状態。これを強制連行と言わず何と言うのか。

政府は認めようとしない。また言うそれは文献ではないだろうと。これは被害者に対するさらなる被害を与え続けていることを認識しないといけない。

ここで結論を急ぐが、問題の核心は強制連行であることを認めようとしない政府の姿勢にある。いつまでの戦前の戦争犯罪になんとか言い逃れようとしていてはいけない。甘言、詐称、強制収用、監視、レイプ……。これらが本人の意思なのか。これを国が積極的に関与した文献資料は防衛省戦史資料室などから多数発見されているが、しかし強制的に送ったという文献資料がないから強制連行と認めないというのだ。これでは日本国内はもとより、国際社会からの非難を受け続ける。
[ 2013/05/18 09:59 ] 川瀬俊治 | TB(-) | CM(-)


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