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コラム・風「北方領土は帰らない・・・」:片山通夫

 先日、安倍首相が100人超の経済人とともに、ロシアを訪れてプーチン大統領と会談した。安倍首相の思惑は、経済交流を活発化して、その勢いで北方領土の返還交渉に弾みをつけたい考えだったようだ。



 筆者はこれに先立ち、サハリン州ユジノサハリンスクで、北方領土(南クリル)問題に詳しい、大学教授・歴史学博士であるアナトリー・T・クージン氏にインタビューを申し込み、およそ2時間にわたって話を聞くことができた。詳しいインタビューの内容は、Lapiz2013年夏号(6月1日発行)で書く。興味ある方は是非お読みいただきたい。
 
 クージン氏によると、今回プーチン大統領が安倍首相に話したことと、ほとんど変わらないように見受けられる。筆者が「ノルウェイや中国などとプーチン大統領は国境問題を解決してきた。その手法は《面積等分》だ」と尋ねた。クージン氏は「なるほど、あなたがあげた国々とは《面積等分》で解決してきたことは確かだ。しかし、南クリルは我々が戦争で勝ち取ったものだ。思い起こしてみる必要がある。1905年の露日戦争(日露戦争)で日本は勝利した。その結果、サハリン島の南半分、つまり温かい地域を分捕った。以来、北緯50度線以南は、1945年の8月まで、日本が占有していたではないか」

 東京新聞によると、「(ノルウェイや中国などと違い)第二次大戦の結果としてロシアの主権下にある」とプーチン大統領が言及したという。全くクージン氏の談と同じ立場だ。これはつまり、ロシア人一般の考え方であり、毛頭返す気がないということではないか。

 いまひとつ、クージン氏は次のように語った。「日本人は《返還》という言葉を使っているようだが、我々ロシアでは、《あげるつまりプレゼント》という立場になる。これは根本的な問題だ」主権が、所有が誰にあるかの問題だというわけである。

 この問題はすぐには解決しないと思われる。先般、北方領土を望む根室と羅臼へ取材に出かけた。(Lapiz2013年春号に掲載)そこで、目の前にある国後島や歯舞・色丹周辺海域で漁をする人たちに会った。彼らは異口同音に言うことは「せめて2島だけでも早く帰ってきてほしい。私たちが安全に操業できる漁場が格段に広くなるわけだから」と話していたことを思い起こす。
 「4島一括返還」という呪縛を解き、せめて2島でもというのが、北方領土を目の前にしている漁業民の切実な願いなのだ。

 はたしてこの政府間交渉はどのように決着がつくのか、今のところは不明だが、残念ながら、プーチン大統領は、官僚頼みのわが安倍首相とは役者が違いすぎるのではないか。

《PR》電子雑誌Lapiz  http://www.lapiz.bz
[ 2013/05/04 01:59 ] 片山通夫 | TB(-) | CM(-)


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