ジャーナリスト・ネット公式ウエブサイト

ジャーナリストの取材記事、論考などそ掲載するブログ
ジャーナリスト・ネット公式ウエブサイト TOP  >  スポンサー広告 >  犬塚芳美 >  映写室「約束~名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯~」舞台挨拶レポート:犬塚芳美

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

映写室「約束~名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯~」舞台挨拶レポート:犬塚芳美

―斉藤潤一監督と樹木希林さん―

 東海テレビの劇場公開版第5弾となる「約束~名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯~」が、今日から十三の第七芸術劇場で上映です。初日の今日は、10時からの分の上映後と、その次の回の上映前に、斉藤潤一監督と樹木希林さんの舞台挨拶がありました。

IMG_3142_convert_20130330213821.jpg


<報道畑出身で>、初めてのドラマの演出となった斉藤監督は、「本年度のアカデミー賞で最優秀主演女優賞を受賞されたほどの方に、演出することなど出来ません。樹木希林さんに色々相談し、教えていただいての撮影で、この作品の本当の監督は樹木希林さんです」と、役者さんとの2人3脚振りを強調する。

<肝心の樹木希林さんは>いつぞやの授賞式のようにあくまで伸びやかで、時折は自由に動いて舞台上から客席の興奮振りをカメラに収められる。そして「この作品には、本物の奥西さんのお母さんが出てらっしゃいます。それを見ると役者が演じると言うことは如何に薄っぺらなことかと思い知らされる。こういう実物と比べられる作品に出るのは辛い。この前、癌を告白したので皆から大丈夫ですかと声をかけられるけれど、そう言いながらも仕事はどんどん入れてきてこき使われています」と、いつものようにひねりの効いたコメント。舞台挨拶を早々に切り上げて、せっかくの機会だからと、観客との質疑応答に切り替えられた。

 <印象深いのが>、どちらかへの加担を戒める口調だった。奥西さんに同情するあまり、ある時から証言が一方方向に流れた村人へ、不満めいた言葉を受けると、「だけど、私だってそうしたかもしれない。人間とはそんな風にいい加減で弱いものと言うのが真実なのではないでしょうか」と、疑問を呈する。再審請求を退け、栄転していった裁判官への憤りを口にすると、「でも、誰にだって、生活があるのです。家族の為なら私もするかもしれない」と、ここにも弱い人間の不変的な姿を認めようとします。「誰かに罪を求める一方的な作品になっていないのが、この作品のいいところです」と応じた。

 <それでも>、観客の一人の「自分の母親がこの村の隣に、事件の1年後に教師として赴任したが、この地域の人々の、この事件については何も話せないと言う独特の雰囲気に困惑したと繰り返し言っていた。数日前にここに行き、慰霊碑にお花を供えただけで、村の人々が遠ざかって行った。未だにこの事件はこの村の人々にとって、口にしたくない、触れられたくない事件のようだ」と言う証言には、舞台上と客席が一緒になって注目する。そして、「こういうことがあっても、奥西さんもお母様も、死を選ばず生き抜いてくださったことに感動する」と言う言葉に、またもや一緒に頷いた。お子さん方の事については映画で多くは触れられていないが、「死刑囚の身内と言うことでどれほど辛い思いをされてきたか、描いていないことから汲み取ってほしい」と斉藤監督。
 
<硬派な製作姿勢で>話題を提供し続ける東海テレビのファンと、この作品が掘り起こした潜在的な事件そのものへの関心、又実力派の樹木希林さん、主演の仲代達也さんへの関心から、初日の今日は立ち見も出る盛況ぶりでした。
 来館の多くの方が「この映画の公開で、当時衝撃を受けたこの事件を思い出した」と、この事件そのものへの関心を話されます。
映画の中の樹木希林さんは、まさに老婆ですが、現実の樹木希林さんは、変わったデザインの服を自然に着こなす、お洒落で素敵な大人。女優さんの風格ある姿に圧倒されました。

この作品は、第七芸術劇場で上映中、
4月13日から神戸アートビレッジセンター、
順次京都シネマ にて公開
[ 2013/03/30 22:57 ] 犬塚芳美 | TB(-) | CM(-)


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。