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夜間中学その日その日 (287)   守口夜間中学 白井善吾

第39回 守口夜間中学卒業式
3月14日、守口夜間中学で第39回卒業式があった。開設時の内田良彰先生も出席しておられる。来阪中の髙野雅夫さんも、是非参加したいと着席されている。在校生、家族、来賓で満席だ。遅れて職場から駆けつける夜間中学生も座る場所をつくるのに一苦労だ。


会場には、6点の共同作品が掲示され、夜間中学生が書いた文字とコトバが参加者に語りかけている。卒業生は9人、しかし2人は体調がすぐれず、参加できなかった。夜間中学生の想いのこもった発表は大変興味深い。生徒会から1年間の活動報告が映像を使って行われるのも手作りの夜間中学の卒業式だ。
教員生活最後の卒業式となる学校長は式辞で「長い教職人生の最後に、この夜間中学に身を置くことができ、たくさんの人生の先輩でもある、夜間中学生と出会い、ともに学び、そしてたくさんのことを教えていただいたことに心から、今感謝している」と語った。
在校生から卒業生に「体調をくずされているときも、授業で使うプリントの印刷のにおいに『ああ、早く学校に行きたい』と一途に願われたお気持ちを知っています。学校のために何かできることはないかと心を砕かれたことも知っています」「皆さんは夜間中学生が安心して学べるように頑張ってくださいました。わたしたちはそれを引き継いでいかなければなりません。夜間中学で学んだことを誇りに、学び続けてください」と述べた。
これに応え、卒業生は一人一人思いを語った。
「夜間中学に来て本当によかった。9年目になって、やっとひらがなが読めるようになりました。‥卒業しても、ビラ配りなどしようと思います」
「勉強したいと、孫に話していたところ、千林の駅で配っていた夜間中学生募集のビラを孫が持って帰ってくれました。孫に背中を押され、入学することにしました。夜間中学に行くようになって、勉強は教えてもらうだけでなく、自分から考え、行動しなければあかんことを知りました。夜間中学の学びは一生の宝になりました」
「駅から学校までの道を『喜びの道』と名付け、ちょっぴり不安な気持ちを抱きながら、わくわくしてくぐった校門。びっくりしたことは自分が今まで、いかに間違った字を使っていたかが分かったときです。授業を受けるたびに、空っぽだった体の中身が埋まっていく充実感。どこまでも世界が広がっていくように思いました」
「15歳を超えているという理由で、昼の中学校に入学できませんでした。そして守口夜間中学に入学しました。夜間中学で学べたことはとてもうれしかった」
「私のひいおばあさんは中国残留婦人です。日本で生まれ中国で育ち、去年日本に来ました。ここにいるのは、少しうれしくて、少しさびしい気持ちです。うれしいのは、ここを離れるのは私の人生の飛躍だから、さびしいのは1年間勉強した夜間中学を離れがたいからです。・・小さい子どもの先生になりたいという自分の夢を努力して実現します」
「僕は夜間中学で1年間勉強しました。生徒会役員になって、生徒集会で発表しました。一泊旅行や運動会にも参加しました。フィリピンでは友だちが少なかったですが、夜間中学では友だちができました」
10代の若者3人は4月から昼の高校で学ぶ。多くの来賓や夜間中学生を前に紅潮しながらこのように自分の想いと決意を述べた。参加者から拍手が鳴りやまなかった。
「若い人はうらやましい。1年勉強して、聞いている人に分かるように日本語が話せる」「書いた紙を見ずに話をしていた」。式後このように感想を語っていた。
生徒会は守口夜間中学の1年間の活動を映像を使って報告した。校区の小中夜間中学生、保護者が一緒にとりくんだ地域清掃、カーニバルの活動の様子も映し出された。映し出されるシーンを見ながら行政関係者、議会関係者、本当に多くの人たちに支えられた夜間中学であること、そして夜間中学が教育全体に果たしている役割の大きさを改めて思った。
卒業生も「私がこのような喜びと思い出を胸にいっぱい抱きしめながら卒業できますのもご援助くださった守口市や居住市のおかげと感謝申し上げます。これからも夜間中学が続いていくように、就学援助が受けられますよう来賓の先生方のご支援、お力添えのほどよろしくお願いいたします」と述べた。
 遅れて登校した夜間中学生は、息を切らせながら入室してきた。卒業式は参加者が作り上げる学習の場であることを実感した。
2013年、守口夜間中学は開設40年を迎える。「喜びの道」のソメイヨシノは3月19日、例年より10日早く開花した。
2016年春、小学2校と中学・夜間中学が一緒になる学校がいまの敷地に誕生する予定だ。

[ 2013/03/28 07:55 ] 寄稿 | TB(-) | CM(-)


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