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メディアウォッチング「防衛は、軍事力に頼らず、現地からの“無防備地区宣言”で」:南亭駄樂

 人間は忘れる能力を持っている。しかし、忘れてはならないこともある。戦争をはじめ、ヒロシマ、ナガサキ、ビキニ、フクシマなどがその代表格であろう。日々の新聞やテレビで報道される膨大なニュースにも忘れてはならないことが隠されている。その一つが、沖縄の軍事基地の問題である。
 尖閣列島を巡る中国との摩擦、北朝鮮の核実験やいわゆる“実質的な長距離ミサイル”発射を脅しに使って、沖縄の軍備を負担軽減ではなく、増強しようという動きがある。それがときどき、氷山の一角のように出ては消えしているが、本土メディアは一過性のものとしてしか報道しない。その本質を見据えて継続した報道と掘り下げた解説あるいはキャンペーンが必要ではないか。

見え隠れする、先島諸島への自衛隊常駐案

 北朝鮮のミサイル騒動のとき、国は地上配備型迎撃ミサイル「パトリオット」(PAC3)および自衛隊員数百人を自衛隊が常駐していない沖縄・先島諸島(宮古・八重山)に配置した。そのとき、沖縄県幹部や住民グループから南西諸島における防衛強化に対する危惧の声が聞こえ、報道でも「国は自衛隊配置の実績作りをねらっている」「与那国島に沿岸監視隊を新設しようとしている」などの動きが伝えられた。
 その後も、尖閣列島における中国の脅威論とともに、自衛隊による先島諸島の防衛力強化の動きが伝えられている。
・防衛省は、与那国島に100人規模の沿岸監視隊を新設することを目指している
・政府は、航空自衛隊のF15戦闘機部隊を先島諸島に常駐させる検討に入った。宮古の下地島空港などへの配備を調査する費用を来年度予算に計上する
などがその一部である。
 本土メディアは、これらを垂れ流し報道するだけで、国民を慣れさせるためではないか、と勘ぐりたくもなるが、米軍・自衛隊の軍備増強で“本土の沖縄化”が進められようとしていることをきちんと踏まえているだろうか。
筆者は“基地の町”の一つ、神奈川県相模原市に住んでいるが、ふだん飛ばないはずの地域でも米軍機の低空飛行および編隊飛行が増えているように思う。そのうち、日本全国の空をオスプレイが我が物顔に飛び回るだろう。
 太平洋戦争に突っ走った1930年代のメディアと比べても、いまの日本のメディアは戦争を止める力は弱いのではないか、と思う。いま、日本のメディアは何を国民に伝えなければならないのか、ジャーナリズムの目的と存在意義を改めて問い直してほしい。

ジュネーブ条約「無防備地区」宣言という選択がある

 尖閣諸島で偶発的衝突が起きたとき、全面戦争にならないと誰が言えるだろうか。少なくとも、先島諸島あるいは鹿児島県を含む南西諸島は有無を言わさず、防衛の砦にさせられ、米軍と自衛隊の基地になるだろう。
 そうならないようにする方法はないだろうか。そう考えていたとき、筆者は、2006年頃、竹富町において展開された「無防備地区」宣言運動を思い出した。これはジュネーブ平和条約にある無防備地区宣言を盛り込んだ町の「平和条例」制定を求めた直接請求運動で、有権者の3分の1近い署名を集めた。
 ジュネーブ条約の第一追加議定書第59条では、「紛争当事者が無防備地区を攻撃することは、手段のいかんを問わず、禁止する」と謳っている。すなわち、自分たちは丸裸だから、軍事攻撃をしたら国際法違反になるということを宣言するという防衛手段を提唱しているのである。
 無防備地域を宣言するためには次の4つの要件を満たさなければならない。
(1)すべての戦闘員並びに移動用兵器および移動用軍用器材を撤去しておかなければならない
(2)固定の軍用施設又は設備をいかなる敵対的使用にも供してはならない
(3)当局によるも又は住民によるも、いかなる敵対行為をも行ってはならない
(4)作戦動作を支援する一切の活動を行ってはならない
 竹富町の運動は、これを満たす平和条例を作るというもので、当時、無防備地区宣言運動は全国に広がり、西宮市(兵庫県)、奈良市、高槻市(大阪府)、京都市、大津市などの各議会にも提出された。
 条例は各議会で否決され、その後運動は下火になったが、戦争への道を歩き始めた自公政権ができた今こそ、このような運動が必要ではないか、と筆者は考える。
地方議会での主な否決理由は、1)防衛は国の管轄事項であり、地方自治体は国民保護法などで有事に国と連帯協力する義務が規定されている。無防備地区宣言はそれに反し、地方自治体は法律に反する条例制定はできない、2)同様の理由で、地方自治体は無防備地区の4条件を満たすことはできない、3)無防備地区宣言をしたとしても国際的に無視されることも多く、安全は保障されない――ということであった。
 当然、地方と国の対立になるのだが、福祉医療分野で国の規則と異なる政策を実行し、やがて国の制度になった例もある。また、沖縄県の全市町村長が東京に集まり、オスプレイ配備への抗議を行ったような、今の沖縄と政府の関係を見ると、沖縄から国へ攻勢をかける手段として無防備地区宣言が一番沖縄の考え方になじむのではないか、と思う。沖縄県の市町村を初めととする全国の市町村が無防備地区宣言をすれば大きな力となり、中国や北朝鮮をはじめ国際社会への力強い平和メッセージとなるだろう。それが世界の世論を形成し、国を動かすことにならないだろうか。
 これは単なる夢物語ではない。実際に数年前に存在した運動のリニューアル版であって、決してできないことではない。東日本大震災、原発事故後の新しい価値観による社会作りの一つのあり方として提唱するものである。

[ 2013/02/18 23:59 ] 南亭駄樂 | TB(-) | CM(-)


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