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夜間中学その日その日 (273)   守口夜間中学 白井善吾

ドングリ拾い (3)
トトリムッ(ドングリようかん)とドングリ団子つくりが展開される一方で、もう一つ別のドングリ団子の製造が進められていた。理科の学習で提示した方法でやってみようということになったからだ。


授業で使ったプリントを示す。
① ドングリを食べてみよう。シイやマテバシイのドングリは生でも食べられる。フライパンで煎ると甘味がでてずっとおいしくなる。
② とても苦いって?それはカシやコナラ、クヌギのドングリ、苦くて渋くて、とても食べられない。
③ こんなドングリは、お湯でぐつぐつ煮て、苦みをとって食べよう。あく抜きに重曹を少し入れる。1回、2回、3回。
④ ふつう、3回水を替えて、4時間ばかり煮れば、苦みがすっかりとれる。さあ、このドングリで団子を作ろう。
⑤ 用意するのは片栗粉と砂糖ときな粉。
⑥ うまく団子にまるめられるかな。砂糖を入れた団子は色が濃い。
⑦ 団子を蒸し器に入れて10分ばかり蒸かす。
⑧ コメ、麦、トウモロコシなどの穀物。芋の仲間(サツマイモ、ジャガイモ、サトイモ、ヤマイモ)。ドングリにもこんな食べ物に負けない栄養がたっぷり入っている。ドングリは昔から大切な食べ物だった。
 出典「どんぐりだんご」(福音館書店/こどものかがく)
絵本が出典である。紙芝居のように、説明文を読んでもらいながら、絵を示して、内容を確認した。
「重曹とタンサンは同じですね」「子どもの頃ふくらし粉としてパンつくるのによう使いました」「たくさん入れるとパンの味がまずくなる」「縄文時代、あくを抜くのに何を使ったんでしょう?」「灰汁とちがうやろか?」「コメわらを焼いて作った灰に水を入れ、上澄み液を入れていたように思います。ゼンマイ、ワラビのあく抜きに使いました」。
夜間中学生の頭から子どもの頃の出来事がよみがえってきているのかもしれない。次々出てくるのだ。
重曹を入れて、煮始めると、色が薄かった煮汁が元の濃い茶褐色に変化した。1週間近くあく抜きをしていたので、1回、3時間煮るとドングリの渋みは全くなかった。そして指でつまんでも簡単につぶせる柔らかさになっていた。
麺棒でついてドングリを潰した。簡単にドングリの粒を潰すことができた。冷まして、砂糖、片栗粉を加え、団子をこしらえた。砂糖を入れない、ドングリ団子も、蒸し器で蒸かした。ふたを開けると、ぴかっと光っている。
さぁ、出来上がった。どんな味だろう?砂糖入りの団子はそのまま、入っていない団子はきな粉をつけて食べることにした。粘り気が強い茶褐色の団子だ。おっかなびっくり、慎重に口に入れる人もいる。「おいしい」「うまい、なかなかいけますやん」「これやったら、売り物になります」「ドングリにでんぷんが残っているから前のドングリ団子と味が違うんでしょうか」「砂糖がなかったら、なんで味をつけてたんでしょう?」次々疑問がわいてくる。

秋の理科のフィールドワークでドングリを拾う。このことで組み立てた夜間中学の理科の学習だ。夜間中学生の身につけた生活の知恵、好奇心旺盛な姿に触れ、いつの間にか私自身が一人の夜間中学生になっていた。

 
[ 2012/12/21 10:34 ] 寄稿 | TB(-) | CM(-)


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