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メデイア・ウオッチング「アマがプロをしのいだ瞬間」:川瀬俊治

最近の相次ぐ誤報にはへきへきする。何年も前に廃刊された月刊誌「噂の真相」は新聞の「訂正」記事を毎号欄外に掲載していたが、その時には「どうしてこうしたことを」とあまりいい感じは受けなかったが、最近の誤報ラッシュにふれると、もし続刊されていたら欄外での掲載などではとても間に合わないだろう。「今月の誤報」コーナーができてもおかしくはない。

アマがプロに勝った瞬間とは、尼崎の連続失踪事件だ。事件の中心人物の写真がNHKをはじめ全国紙で報道された。ところがネットでは、「本人ではない」、いや「いま逮捕されているのは替え玉だ」などの情報が流れた。ネット情報がプロの大マスコミに勝った瞬間だ。

逮捕されるパトカーの車内でちらっとのぞいた容疑者の顔から判断してなのか、あるいは報道された写真が違うとする確たるものがあるのか、ネットでは当初から「容疑者の写真ではない」「替え玉ではなにか」とするユーザーからの発信があった。なさけないのは大マスコミの思い違いだ。「2人に顔写真を見せたが、本人だとの証言をえての報道」とNHKは弁解していたが、顔写真を見送った新聞もあったのだから、現場の記者や指導するデスクの判断が甘かったといえる。

読売1面のiPS細胞関連の誤報もあった。iPS細胞で心臓手術をして成功したというアメリカ在住の日本人研究者の話は山中教授のノーベル賞受賞直後だけに、新聞記者としてはとびつくネタだった。しかし「裏どり」せずに報じたことが「あだ」となりすぐに「嘘」と判明した。取材の甘さが出たと同時に、会社の取材体制、あり方が問われることにもなった。

業界用語では「ガセネタ」というが、報道機関には連日のようにその「ガセネタ」が入ってくる。ほとんどが「本当」か「ガセ」が見破られるのだが、激烈な競争から「抜きん出たい」思いから、裏どりなどの手続きをカットしてしまう。そう慌てなくてもと思うが、現場はなかなかそうはいかない。

新聞のいのちは権力の監視だ。偉大な業績に対する賛辞は当然だが、どうして偽者に対する警戒心を解くのか。そこには権力監視の役目が弱化していたからだとは思わないか。監視する批判力の弱さが誤報を生んだとみるが、どうだろうか。
[ 2012/11/06 00:00 ] 川瀬俊治 | TB(-) | CM(-)


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