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夜間中学その日その日 (265)   守口夜間中学 白井善吾

「夜間中学生の胸を借りる」
大阪府教職員組合の2012年度教育研究集会に参加した。2012年10月13日のことだ。若い教職員に交じって、若くない懐かしい教職員も多数参加している。全くのボランティアで、人権教育の事務局運営のお手伝いをし、20年を迎えた自主夜間中学の活動も中心で運営されている、先輩にも出会えた。


午前中は理科教育の分科会、午後は人権教育の分科会に参加した。どの分科会も椅子を運び込んでの盛況だ。人権教育は100人を超えた。報告を40分。質問討論時間もたっぷりとり、議論も途切れることがなかった。
地域の自然とのふれあいを大切に、子どもたちの輝く目を大切にしながら、授業を展開している。教員も教師集団に支えられ、刺激を受け、学びながら、実践をする。そして子どもたちの喜ぶ姿に授業者自身が勇気をもらった報告であった。理科教室新聞も丁寧に出されていた。
私も新卒の頃、悩みを語り、先輩からアドバイスをもらい、その真似をし、失敗を繰り返しながら、実践を重ねてきた。教員が失敗をして、教科書通りの結果にならなくても、どうしてそのような結果が得られたかを考えることも重要な学びであった。40年ぶりにあった同窓会で、その頃の子どもたちが教科書通りにいかなかった実験もあったが、知識の暗記ではなく、実験、観察をたくさんできたことがうれしかった。そんな観察はその後の学校でもやってもらえなかった、その時が初めてで最後の実験もあった。そんな意味のことを話していた。
もう一つの報告は、ミツバチを学校で育て、ミツバチを巡って、生物多様性、地域の自然環境、地域の人たちとのつながりを大切に、高校での総合的な学習が展開されていた。地域の生物多様性保全活動への参加を通して、保全活動の主体者として学習が進んでいることが分かった。そこでは自然科学と社会科学を融合した学びが実践されていた。そして社会における科学技術の役割を市民として意思決定できる科学的リテラシーの追求が報告されていた。
討論では、原発問題に明確にノーを意思決定できる理科の学びになっているか?社会の出来事に意思表示と働きかけができる学びになっているかと質問をおこなった。ノーベル賞受賞、金環日食の学習が行われているが、原発事故、放射能問題について、理科ではこの学習が展開されているのか?教組教研では大切な議論だと思う。
人権教育の分科会は歴史学習と人権総合学習をつなげ、部落問題学習を学年全体で取り組んだ報告があった。屠場で働く人や牛の皮なめしをしている人を学校に招き、語りを聞き、自らの生き方を考える展開であった。水平社宣言に記された言葉で、「(人が)生きていくうえで大切だと思うこと」を子どもたちが考えていく学習も行われていた。その学習を通して、子どもたちがつながり、友だちの今を見つめ、考え、語る実践であった。
もう1本の報告は守口夜間中学を訪れた交流学習を横糸に、小学校を卒業し、中学に進む自分たちの生き方を追求する半年に及ぶ人権総合学習の報告だ。夜間中学を6年生全員で訪問、夜間中学生の横に座り、授業を体験する。その出会いを通して、学ぶことを考える。訪問の時、掲示されていた守口夜間中学生の藍染の共同作品『わたしはやかんちゅうがくせい』の構成詩に触発され、考えたことを文字にして、班で自分たちの構成詩を作り、さらに深める。「親からの手紙、親への手紙、15歳の自分への手紙、卒業に向けて」と編み上げられていく展開だ。
改めてこの実践報告を聞いて、夜間中学生が学ぶ姿に感銘を受けた子どもたちは、人間が学ぶ意味について、自分なりの考えを深めていった様子がうかがえることができた。
報告者の一人は、自分たちも夜間中学で授業をやってみたいと取り組まれた、守口の青年教師の方だ。この時の体験をもとに、子どもたちにも夜間中学に出会わせたいと今回の授業を取り組まれたとのことだ。
私も、報告いただいた内容をぜひ、夜間中学生にもお願いしたいと感想を述べた。夜間中学の学習は単に進学や就職のための「手段」としての学習ではない。「手段」ではない「目的」としての学びが重視される。あえて「目的」を設定するとすれば「よりよく生きること。そのために社会に働きかける」という人間の本質的な目的のための学習と考えている。
この報告を聞いた、「メインストリームでないものがメインストリームに影響を与えている」との研究者のコメントも印象的だ。
大阪教組教研に参加して、これからの大阪の教育を担っていく、“熱と光”を感じた。教育研究活動の会場に学校使用はさせないとする橋下市長の偏狭な思考に改めて怒りを覚える。あなただけの学校ではありませんよ。
[ 2012/10/25 23:45 ] 寄稿 | TB(-) | CM(-)


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