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日曜新聞書評欄簡単レビュー:三室 勇

今週も日曜日恒例の新聞書評欄から。

読売――
赤坂憲雄『3.11から考える「この国のかたち」』(新潮選書、1200円)、評者・三浦佑之。著者は東北学の提唱者である。赤坂は3.11後の東北をくまなく歩きまわった人だ。彼の言葉に「東北はまだ植民地だったのか」という慨嘆があった。首都圏の迷惑施設・原発を補助金と引換に受け入れる姿を語ったものだが、強い憤りを感じさせる言葉だった。評者は、本書を読んで、いま何をしなければならないかが見えて来たのではないかと、書く。まず、教えられたことは、生き残った者たちと死者たちとの和解だという。生死を分ける不条理があった。生者たちは死者たちの鎮魂に取り組み、その上で未来へと歩み出すことだ。彼自身それと向き合いながら「東北学を再建する」道を見いだそうとする。地盤が沈み津波に洗われた沿岸にはいくつもの潟湖が出現したという。それら泥の海を直前の水田に戻すのではなく、50年後を見据えて、昔の自然にもどそうと著者は言う。評者は「まさに人文学からの提言だと思う」と結んでいる。

毎日――
笠井潔『8.15と3.11 戦後史の死角』(NHK出版新書、819円)、短評。SF、推理小説、評論と幅広い著作を持つ著者の日本の近現代史の失敗の本質を探ったものだ。敗戦と原発事故がテーマだが、その背景にある「ニッポン・イデオロギー」と名付ける思想傾向を問題にする。丸山真男の批判した「天皇制ファシズム」、山本七平が「空気」と呼んだものに近いらしい。このイデオロギーのもとで、人びとは延々と耐えて続け、突然爆発し、その後、何事もなかったかのように振る舞う、この繰り返しである。近代科学技術を受け入れながら、その背景にある一神教的価値観を受け入れなかった日本は、「空気」が支配する無責任体制のまま、危険な科学技術を制御できずに原発事故に至ったと著者は考えている。脱ニッポン・イデオロギーに何が必要なのか。著者の主張を本書を手にとって確かめたい。
[ 2012/10/21 08:00 ] 三室勇 | TB(-) | CM(-)


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