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夜間中学その日その日 (264)   守口夜間中学 白井善吾

4回にわたって報告をするのは、『勉強がしたい学校がほしい』 夜間中学増設運動全国交流集会編 (宇多出版企画1994.3)に収録した論考「いまこそ増設を」に加筆し、夜間中学増設運動全国交流集会に参加する者の考え方をまとめたものである。夜間中学を巡って複雑化する現状況に、一つの考えを提起しておきたい。

いまこそ増設を (第4回)
 4.相次ぐ自主夜間中学の開設
北海道には4校の夜間中学が活動を行っている。札幌遠友塾(1990)、旭川遠友塾(2008)、函館遠友塾(2009)釧路「くるかい」(2009)である。「生徒200人超 札幌、旭川に続き函館、釧路にも/自主夜間中学続々と/公立化 行政の腰重く」(北海道新聞 2009.4.15)北海道新聞は社説で「夜間中学 学びの喜びを支えたい」(2009.6.9)と夜間中学を取り上げた。この中で「自主夜間中学のセンター校の役割を持つ公立夜間中学を札幌に開設すること」「道や札幌市は、早急に公立夜間中学の設置を検討すべきだろう」「札幌以外の市でも地元中学の教室を使えるようにしてほしい」そして、「夜間中学のとり組みは、人間が生涯かけて学ぶことの意義を教えてくれている。地域社会もその活動を温かく見守り、支えたい」の言葉で社説を結んでいる。
 2011年1月、福島で開校した「福島駅前自主夜間中学」が最も新しい自主夜間中学で、全国で現在26校の自主夜間中学が活動を行っている。

 5.「すべての人に義務教育を!」専門委員会
全夜中研は第48回全夜中研大会で人権救済申し立て書、「全国各地への公立夜間中学校増設を求める特別アピール採択(2002年12月)。日本弁護士連合会に対して人権救済申し立て書提出した(2003年2月)。これを受けた日弁連は夜間中学校の拡充を求める国への意見書「学齢期に修学することのできなかった人々の教育をうける権利の保障に関する意見書」を提出した(2006年8月)。
 全夜中研は「すべての人に義務教育を」専門委員会を発足し、2008年6月、次のような「21世紀プラン」を打ち出した。
「既存の学校での義務教育未修了者の受け入れ・通信制教育の拡充・個人教師の派遣等の推進」を行政施策として求める。①小学校、中学校、特別支援学校等で広く義務教育未修了者を受け入れること ②各都道府県での通信制教育の実施 ③全国各地の通学困難な義務教育未修了者のための個人教師派遣 ④その他、義務教育保障にとって必要なことを提起している。
国会で、夜間中学に関し質問をおこない、議論される機会が多くなってきた。2003年以降、12回を数える。また「学齢期をすぎた義務教育未修者の教育の保障に関する質問」に対し、麻生太郎首相(当時)が答弁書を出している(2008.12)。

6. 夜間中学を法に位置付けるとりくみ
夜間中学を法律に位置付ける動きも大きなうねりとなってきている。一つは上で述べた、日弁連の「学齢期に修学することのできなかった人々の教育をうける権利の保障に関する意見書」ともう一つは近畿の夜間中学生が就学援助、補食給食の大阪府の補助継続を求め闘いに立ち上がった闘いである。
この闘いに呼応し、日教組が全国署名を展開。70万人の署名を政府、国会に届け改善を求めた。その結果、2008年5月28日に提出していた「学校教育の環境の整備の推進による教育の振興に関する法律案(教育環境整備法案)」の中に新たに3条7項に「学習する機会が失われた者がその希望するときに再び学習する機会が与えられるようにすること」を追加した。民主党は2009年3月25日この法案を再提出、6月10日参議院を通過、衆議院に送付した。しかし、2009年8月、衆議院は解散、廃案となった。
2012年8月3日、全夜中研は義務教育等学習機会充実に向けた「超党派参加・国会院内の集い」を開催した。公立・自主の夜間中学生、教員、国会議員合わせて160人の参加で立法化を訴え、それを確認した。

(11) 巻きおこせ増設の嵐
公立夜間中学の増設は2001年以降実現していない。根本原因は、法体系の中に「夜間中学」の文言がないからだ。法体系を整備し、夜間中学の社会的存在意義を認めさせ、国が責任をもって夜間中学の開設をおこなうことではないか。2008年以降「学校教育の環境の整備の推進による教育の振興に関する法律案」(教育環境整備法案)の成立を求める動きが具体化してきた。この法案の3条7項に「学習する機会が失われた者がその希望するときに再び学習する機会が与えられるようにすること」と明記し、夜間中学で学ぶ人たちを想定している法律で「日本の識字法」だと考えている。
1968年大阪の開設運動で髙野雅夫さんがとった、義務教育未修了者が生き証人となって、夜間中学開設を行政に要求し行動をする、この闘いが原則だ。義務教育未修了者が運動の中心となって、運動を進める。このことが何よりも重要だ。
35校ある公立の夜間中学は教育実践を明らかにし、夜間中学が存在する社会的意義を広く社会に発信する役割が今求められている。
学びを必要とする人たちに、夜間中学を届けるため、しぶとく、全国各地で夜間中学増設運動を推進していくこと、その歩みは止めない。
もう一度言おう。私たちの目の前に義務教育未修了の人が一人でもいる限り、夜間中学は存在し続けなければならない。夜間中学のない地域には増設させなければならない。今こそ増設の嵐を各地に巻き起こそうではないか。

[ 2012/10/18 06:26 ] 寄稿 | TB(-) | CM(-)


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