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日曜新聞書評欄簡単レビュー:三室 勇

今週も日曜日恒例の新聞書評欄から。

京都――
南伸坊、南文子『本人伝説』(文藝春秋、1050円)。〈出版最前線〉で、朝日も〈視線〉で本書を取り上げている。南伸坊の本人術は年季が入っている。『歴史上の本人』(1996年)では、二宮尊徳、聖徳太子、織田信長、樋口一葉ら歴史上の本人になりきり、各地を旅し、歴史ルポを書いていた。『本人の人々』(2003年)では、「顔面学」という新たな分野を切り拓き、「本人術的理論」を考案し、外見を似せて本人になりすますと、自然に考え方も似てきて、「本人」を疑似体験できるという〈真理〉を発見した。この本の発刊当時の有名な人物、金正日、アニータ、養老孟司、森喜朗、叶美香、田中真紀子などを取り上げていた。本書は、こうした「本人術」の新たな展開といってよい、奇才が放つ傑作写真集である。
 取り上げている人物は73人。松田聖子、アラーキー、スティーブ・ジョブズ、ダライ・ラマ、吉本隆明、澤穂希、島田紳助、橋下徹、由紀さおり、浅田真央、菅直人、石破茂、野田佳彦など、各界の著名人だ。なりきり写真とともに、なりきりエッセイが実に卓抜でオモロイ。松田聖子のなりきり写真は、きっとどこかで見たことがあるはず。ワラケル。実に目ジカラがそれらしい。文藝春秋の本書紹介をネットで検索すると、数ページ立ち読みできる。橋下徹大阪市長のなりきりエッセイ、どんなんかな、と手に取りたくなる。

朝日――
久米晶文『異端の伝道者 酒井勝軍』(学研、3990円)、評者・荒俣宏。評者は冒頭で「酒井勝軍(かつとき)と聞いて「日本のピラミッド」を発見した人物だとピンとくる奇書マニアでなく、そういう方面にまるで関心のない一般読者に読ませたい大冊である」と書く。戦前、日本人とユダヤ人が祖先を同じくするといった奇説を唱えたことで知られる酒井勝軍だが、彼の生い立ちからその生涯を丹念に追った評伝である。明治期の東北でキリスト教伝道団の学校で学び、極貧の生活が前半で描かれる。死と隣り合わせの貧困といってよい。彼はそこから自分の哲学を高めたと評者はいう。説教よりも実働による自己確立をめざす一方で、給料を得て伝道するあり方には疑問を投げかけている。また、音楽を霊からの声と感得して、説教よりも重視したという。彼自身、賛美歌を学ぶためにアメリカ留学を決行している。この異端の伝道者を生んだ東北のキリスト教伝道史への評者の関心が伝わってくる。帰国後、酒井は戦場を体験し、東京・渋谷で、満月の中央に十字架を見るという神秘体験をする。そこから一転して、神秘主義による日本史理解が始まり、日ユ同祖論やキリスト日本渡来説、日本のピラミッド発見などの諸説が展開されていく。実に不思議な人物といってよいだろう。
[ 2012/10/07 11:43 ] 三室勇 | TB(-) | CM(-)


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