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コラム風「尖閣諸島を日中協調の国境に」:井上脩身

 国交正常化40周年を迎えた今、日中両国は尖閣諸島をめぐり、互いにナショナリズムをむきだしにして対立している。古来、戦争の発端となった国境紛争。21世紀に入ってなお、人類は国境を隣国同士の「協調の一本線」にする知恵を持ち合わせていないようだ。


 フランスとドイツの国境、アルザス・ロレーヌ地方。鉄鉱石と石炭を産出できるため、両国はのどから手がでるほど欲しがった。1871年、普仏戦争でフランスに勝利したプロシャが同地方を自国の国土とした。第一次世界大戦でドイツが敗れ、フランスが領有権を主張。1940年、ナチス・ドイツが自国に編入。第二次大戦でのドイツの敗北によって、フランス領となった。このように、同地方は長年、両国の国益のために翻弄されてきた。
 一方の尖閣諸島。1884年ごろ、福岡県出身の古賀辰四郎氏が同諸島を探検したことを契機に、1895年1月、「無人島であるだけでなく、清国の支配が及んでいる痕跡がない」として、閣議決定で領土(沖縄県)に編入。「わが国固有の領土であることは歴史的にも国際法上も明白」というのが政府の見解だ。
 これに対し、中国共産党機関紙「人民日報」は1970年12月、「わが国の海底資源の略奪を許さない」との社説を掲げ、初めて尖閣諸島が自国領であると主張。中国外務省も71年12月に領有権を主張する声明を発表し、92年制定の「領海法」で「釣魚島」を領土として明記した。(8月29日付毎日新聞)
 9月11日、政府が尖閣諸島を国有化したのに対し、中国側が反発、各地で反日デモが起き、日系企業を襲うなど暴徒化。デモ参加者の多くが中国の小旗を振っていたことから、「愛国教育の影響」と指摘されている。一方、日本の中学、高校では、授業時間の関係で現代史はほとんど教えられておらず、日中戦争など、日本の中国への侵略の歴史を知らない若者が少なくないという。
 アルザス・ロレーヌ地方をめぐって衝突を繰り返してきた反省もあって、戦後、独仏両国で共通の歴史教科書を作る動きが起きた。06年から11年にかけて、世界初の共通教科書(全3巻)が誕生。古代史から現代史まで、画像資料をふんだに使って編集されており、両国の生徒たちは、歴史事実についてのそれぞれの国の認識のずれや、隣国民の考え方の違いを学んでいる。
 領土の取り合いという対立軸となる国境。独仏の地道な取り組みの結果、両国民が共に生きていくための協力軸に変わるのでは、と期待されている。一衣帯水の日中両国首脳に、日中共通歴史教科書を作るよう提案したい。
(フリーライター)
[ 2012/10/13 00:00 ] 井上脩身 | TB(-) | CM(-)


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