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7.29国会大包囲行動ルポ:渡辺幸重

7/29国会大包囲01
 「足下に注意してお帰りください」――警備の警察官が帰途についたデモ参加者に呼びかける。「新橋駅はどの方向ですか?」――デモ参加者も警察官に道を尋ねる。昔のデモや集会に参加したことのある我々中高年には異様な光景である。だが、紛れもなく最近のデモ(パレード)や集会でよく見る光景なのである。
 29日、大飯原発再稼働に反対し、脱原発を訴える集会と国会大包囲行動が行われた。
 この日はまるで浅草の三社祭かと思うくらいの人混みで、親子連れや障害者がファミリーエリアに行くのに苦労するほどだった。デモの主役は子ども連れの若い親であり、いてもたってもいられなくなって家を出てきた主婦である。その人たちが、みなそれぞれに自分の意思で行動している。国会正門前には「全学連」という大きな旗が翻り、「明大全共闘」などの幟も見られたが、もはや彼らにはデモの主導権はない。むしろ、それほどまでして前にしゃしゃり出てテレビに映りたいのか、と痛々しさを感じるくらいだ。もはや写真に写っても今の時代を伝える記録とはならないだろう。

国会大包囲02

 身動きできないほどのあまりの人混みに、国会正門前の人々の間からは「車道を開けろ」のシュピレヒコールが始まった。また、それに応えて警察が「歩道での行動しか認められていません」と答えたりもする。首相官邸包囲行動では車道を開放したこともあったらしい。それを知っている人もいるのだろう。車を止めて車道を開放しろとの声は止まない。
 少しずつ人が歩道から横断歩道に押し出されていき、ついに午後7時半すぎ、警察の規制線が崩れた。解放された人々は横断歩道を走り、交差点の中になだれ込む。警察官があわてて群衆の中から抜け出し、交差点の中で手を握り、肩を組んで新たな規制線を作ろうとする。人々は交差点から暗闇の国会議事堂に向かって「再稼働反対」を叫び続けた。

 この日の行動に参加した人数は、集会とデモを合わせた数で、警察は2万5千人、主催者は20万人と言っているらしい。しかし、ギュウギュウ詰めの中でアピールしている人にとってその数値は大きな意味を持たない。これだけの人が自らの意思で毎週毎週集まり、それが全国に広がっているのだ。昨年の10万人集会の後、運動の尻つぼみが心配されたが、そんなことにはならなかった。熱しやすく冷めやすいと言われた日本列島の人々がこのしんどい運動を続けているのだ。その事実の前には1万人だ、いや10万人だという論争はもはや関係ない。“持続する志”が確認されているからだ。

 デモの中では「野田打倒」の声も聞かれた。ターゲットは野田政権ばかりではない。日本の既存政治がそっくりひっくり返されかねない。デモの中にいるとそれほどのエネルギー、うねりを感じるのだ。鹿児島県知事選、山口県知事選では既成政党が勝ったではないか、という声もあるだろうが、その鹿児島、山口でも社会変革の地殻変動は確実に起きているという実感が伝わっている。

 国会大包囲行動は予定通り、午後8時で終わった。まだまだこれから、という雰囲気のデモ参加者たちに主催者の女性が黄色い声で危ないので前に出ないよう、押さないように訴え続けている。座り込みを訴えたおじさんもいたが、デモ参加者たちは冷静に帰途についた。帰り際、「みんな欲求不満が残ったよね」という声が聞こえた。ツイッターでは抑制を訴えた女性に対する批判も出ていた。
 普通の人が多いといっても、勢いによっては国会に突入という場面が起きないとは言えない。中央に陣取った「全学連」の旗のグループがどんな人たちか知らないが、一部の人たちが突出した行動に出れば一触即発の事態もありうるだろう。しかし、いまは抑制のきいた数の力が大きな声になっている。ただ突っ立っているだけで大きなうねりにつながっている。非暴力不服従運動とは不思議なものだ。私はツイッターに「非暴力不服従運動の底力を見せるときだろう」と書いて、霞ヶ関へと坂道を下った。そこでは、炎天下、集会やデモで疲れた参加者に冷たい水を振る舞っていた。そこは「脱原発経産省前テントひろば」。「再稼働反対」の幟が経産省のビルをバックに翻っていた。
[ 2012/07/30 23:05 ] 渡辺幸重 | TB(-) | CM(-)


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