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メディアウォッチング:脱原発運動報道は何が問題なのか:南亭駄樂

 毎週金曜日に行われている大飯原発再稼働に反対する首相官邸包囲デモはますます大規模になり、全国的な広がりも見せている。筆者は7月13日の行動に参加したが、その際にもらった1枚のビラが気になった。「全国紙不買のすすめ」と題するそのビラは「全国紙の、読売、朝日、毎日、日経、産経、の新聞を取るのは止めませんか? いま、テレビ5局+NHKと全国紙5社は、政府の宣伝局と広報紙となって、原発事故、消費税増税、小沢裁判、など真実を伝えずウソの情報を垂れ流しています」と訴えていた。
これまでは「マスメディアなんてそんなもの」程度で聞き流していたのだが、翌日の新聞を見て考え込んでしまった。38年間、休刊日を除けば1日も欠かさず読んできた新聞をやめて東京新聞に変えようかと真剣に考えるようになった。

7月13日の前の日曜日のテレビ番組だったと思う。毎日新聞の岸井成格主筆が、これまで報道しなかった言い訳とともに首相官邸包囲デモはいよいよ大新聞も無視できないほどの規模に膨らんだと発言した。14日の新聞はどう書くだろうかと毎日新聞を開いたが、デモを伝える記事は1行もなかった。ただ、首相の動向に関する小さな記事の中に、首相も毎週のデモを気にしているという記述があった。
朝日新聞は、社会面トップで参加者の声を中心に写真を並べてデモの様子を伝えた。読売新聞は社会面に地味な1段見出しの記事を掲載した。
 7月16日の「さようなら原発10万人集会」はさすがに各紙が報道した。毎日新聞は1面と社会面、朝日新聞は社会面だけの扱いだった。
 
デスクも現場の記者も問題意識がない

私が失望したのは、脱原発運動の扱いにとどまらず、記事の内容だ。
14日の毎日新聞が本筋のデモの報道をしないのに首相の反応だけを記事にしたことは、読者への情報提供としては不親切で、バランスを欠く。デスクの質が落ちたかと悲しかった。
朝日の両日の記事は社会面だけで、本記がすっぽりと抜け落ちている印象を受けた。しかも17日の記事の書き方がおかしかった。
記事の最後の方でとってつけたように「原水爆禁止日本国民会議が中心となって開催」とあったが、記事の冒頭では「『さようなら原発1000万人アクション』の一環」とある。私は原水禁が中心だと聞いたことがない。また、これも冒頭で「約17万人(主催者発表)が全国から集まり、」と参加者数を伝えているのに、その解説のつもりだろうか、だいぶ離れた最後の方では「会場入り口で目測で数えたという」とある。これもおかしい。私には10万人以上の人数を目測で数えたとは思えない。誰がやったのだろうか。
さらに「警視庁は公式発表していないが、関係者によると、把握した参加者数は約7万5千人だったという」ともある。関係者とは誰で、把握したのは誰なのだろうか。そもそも、記事の最後にこのような参加者数の根拠(?)を示す必要がどこにあるのだろうか。
毎日新聞は集会参加者の様子を、あたかもピクニックの参加者のように「さわやかだった」というように伝えたが、原発をなくし、エネルギー政策の転換を訴えてやむにやまれぬ気持ちから子ども連れで参加している人の気持ちをちゃんと受け止めているのだろうか。この大変な時代の転換期に、なんとのんきなことだろうとびっくりしてしまった。

新聞社は、どのような問題意識を持ち、大転換期の時代のメディアとして緊張感をどう読者と共有しようとしているのか、示してもらいたい。私には一線の記者からデスク、主筆に至るまで、あまりにも民意とかけ離れているのではないかと思える。私が新聞を変える決断をする前に一日でも早く本来のジャーナリズムに立ち返ってほしいと願うばかりだ。
[ 2012/07/23 23:54 ] 南亭駄樂 | TB(-) | CM(-)


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