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夜間中学その日その日 (249)   守口夜間中学 白井善吾

ようこそ髙野先輩
来阪中の髙野さんと夜間中学生が語り合う、“ようこそ髙野先輩、対話集会”が2012年7月2日、開かれた。前回が、2010年11月29日であった。守口夜間中学のあるクラスでは髙野さんの話を聞くのが初めてという夜間中学生のほうが多いという。いろんな機会をとらえ、夜間中学生同士、話し合う機会をお願いしてきたが、夜間中学生の入れ替えのほうが早いことになる。これまで、普段の学習の中で、私たちが学ぶ夜間中学について、いろいろと話し合う実践を行ってきた。そこで出てきた疑問、質問を髙野先輩にすることで、この日の運営、進行、すべてを夜間中学生でおこなった。


学校長は「守口夜間中学は来年、開設40年を迎えます。髙野雅夫さんと語り合う中で、夜間中学について考える機会にしたい」と挨拶をおこなった。
「髙野先輩は私たちが作った『学ぶたびくやしく 学ぶたびうれしく』を全国に広げるとりくみをやってくれています。そして、私たちの闘いを支援してくれています。今日は積極的に話をしていきましょう」司会者役の夜間中学生がこのように語り、進行していった。
何人かの手が上がった、
―「髙野さん、髙野先輩、どう呼べばいいでしょうか?」
「懐かしい顔、新しい顔も、お見受けします。東京の夜間中学卒業生髙野雅夫です。皆さんの仲間です、先輩です。髙野で結構です」
―「私は去年、入学しました。文字やコトバを奪われていることは空気を奪われていることだ。いろいろと考えてみたのですが、この言葉の意味がわからないんです」
「普通に大きくなった子どもは空気を吸うように、コトバが入っていく。しかし俺たちは生きる権利まで奪われている。生きていく基本となるのは空気や水です。お金以上に水や空気が保障されていないと生きていけません。俺たちはそれが保障されていない」
―武器になる文字とコトバ。どうして「コトバ」はカタカナを使われるんですか?
「5歳で敗戦。山谷にたどり着いたとき、99%死んでいた。朝鮮人のおじいさんに助けられ、バタヤのリヤカーを押しながら、イロハかるたで文字を教えてもらった。イロハ48文字にはちゃんと意味があります。しかし、「あいうえお」には意味がない。ひらがな、カタカナ、漢字があるが、文字とコトバは、セットです。そして、それらに歴史があります。なみだは漢字は「涙」と「泪」がありますが俺たちは「泪」を使います。山谷に「泪橋」がありますが、おじいさんと自分の生きてきた歴史が詰まった「泪」です」
―私はこの4月入学しました。髙野先輩が帰国して、なん十年。情熱とバイタリティーはどこから来ているんですか?
「大きくは3つの出来事があります。一つは野良犬のように生きてきた、生死を共にしてきたゴンチが俺をかばうように殺された。小さく痩せた、オレの神様・朝鮮人のおじいさんがなくなったとき、まるでごみを扱うかのように、死体を扱った区役所の奴らへの恨みを晴らす。生まれて初めて鉛筆を持って文字を書いた、その時体が震えて止まらなかった、学ぶことの本当の感動。夜間中学のないところに、この感動を伝えたい。そんな思いで何とか生きている」
―髙野先輩開設運動へのご苦労に感謝いたします。質問します。① 文字を書いたTシャツを着ているのはなぜ? ② 全国や外国で活動していますが、生活できるのはどうして? 
「一つ目、夜間中学を卒業して48年、肩書が何もない。自分の身分証明書として、トレードマークとして、Tシャツを着ています。2点目、かつて、週刊誌の記者から、共産党からお金が出ているんでは?と質問されたことがあるが、取り組んでいる限り飢え死にすることはないと信じている。売れないときは何も食べない。飲まず、食わずの体験があるから、へっちゃらです。伝えることのほうが大きくて、支えられて生きてきた。それが真実です」
―私たちへの髙野さんからのメッセージ「歴史の必然を共に!! ―命の続く限り!!」の「―」意味は?
「21世紀の必然は?たとえば、皆さんはそこに「歴史」と書いて「なかま」とか「じんるい」とかルビをふってほしい。1組のある夜間中学生が「コンプレックスを捨てて自信を持って」と言っていたが、これは間違いだと思う。コンプレックスが最大の武器だとおもう」
司会者がまとめた。「今日、話してわかったことは、なんですか?これを私たちの行動に移していきましょう。7月8日府教委との話し合いに皆さん参加しましょう。髙野先輩、いろいろな話、ありがとうございました。体に気を付け、お元気で」
夜間中学生が日頃思っている素朴な疑問を髙野先輩にぶつけ、話し合えた貴重な機会となった。そして、守口の夜間中学生は自らの社会的に存在する意義を改めて自覚できた。
[ 2012/07/19 10:48 ] 寄稿 | TB(-) | CM(-)


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