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メディアウオッチング「日隅一雄氏訃報について」:今西富幸

 市民によるウェブメディア「NPJ」を立ち上げ、東電問題を情報という観点から徹底的に追及した弁護士の日隅一雄氏が亡くなった。49歳の若さだった。

 彼の略歴についてはすでに三室氏が書いているので、ここでは詳細は割愛するが、私が産経新聞の駆け出し記者のころ、日隅氏は1年先輩でともに支局から社会部に上がったばかりだった。週1回の泊まり勤務をともにし、とても温厚な方だったのを覚えている。
 それから5年ほどして産経を退社し、風の便りで弁護士になったことを知った。彼の活躍ぶりを知ったのは2008年、NHKの報道体質に切り込んだ『マスコミはなぜ「マスゴミ』と呼ばれるのか』(現代人文社)を出したときだ。以来、マスコミの報道姿勢を市民ジャーナリズムの立場で問うてきた。とくに東日本大震災では、東電の記者会見に毎回出席し、がんが発覚後も抗がん剤を打ちながら通い続け、『検証 福島原発事故・記者会見ー東電・政府は何を隠したのか』、『主権者は誰かー原発事故から考える』を相次いで出版した。
 それにしても残念だったのは、日隅氏が亡くなったときの産経新聞の訃報である。彼が元産経記者であったことは1行も触れられていなかった。朝日新聞は産経記者から弁護士に転じたことを書いている。原発推進の論調を張る産経は自社出身の元記者が反原発を掲げ、市民ジャーナリズムの立場で行動していたことをあえて黙殺したのだろうか。もし、このような記者を産経が輩出したことを世に知らしめないための判断だったのだとしたら、これはあきらかな故意による情報隠蔽である。報道機関としての使命を果たしていないといわれても仕方がない。
 後日、朝日新聞は日隅氏の追悼記事も掲載した。それを読み、彼が自室から睡眠具を処分し、日にわずか2、3時間の睡眠で活動を続けていたことを知った。「被災地にいる人びとのことを考えれば、こんなことは苦労でもなんでもない」と語っていたそうだ。その言葉に胸を打たれた。産経にはいまだ残念ながら、日隅氏の追悼記事は出ていない。この1点からしても、自社の人材に対する産経新聞の姿勢がよくわかる。人を育てるという意味をこの新聞社はもっと重く受け止めるべきだ。
[ 2012/07/16 09:16 ] 今西富幸 | TB(-) | CM(-)


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