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日曜新聞書評欄簡単レビュー:三室 勇

今週も日曜日恒例の新聞書評欄から。

日経の「あとがきのあと」欄と朝日の「売れてる本」欄で紹介されている本。
坂口恭平『独立国家のつくりかた』(講談社現代新書、760円)、書き手は、日経は無署名、朝日は斎藤環。著者は『ゼロから始める都市型狩猟採集生活』や『Tokyo 0円ハウス 0円生活』などを書き、話題になった人物。建築を学んでいるうちに、土地を個人が所有し、家を建てるのは変じゃないかと思うようになったという。彼はいま、アーティスト、建築家、歌い手として多彩な活動をしている。本書も「1人で、0円で国をつくった男の記録」といったサブタイトルがついている。やたらに「0円」にこだわっているところが面白い。著者は、昨年5月に独立国家を樹立した。東京銀座の所有者不明の土地を発見し、そこを首都と指定した。車輪と太陽電池が付いたモバイルハウスをつくり、その置き場所を全国に募ったところ、約1400平米が集まり、そこを独立国家の国土とした。この発想は3.11がきっかけだった。現政権に不信感をもったからだ。それなら独立国家をつくろう、と思いつく。著者は、昨年の夏、新政府を置いた熊本市に仲間たちと、私費で福島の子どもたちを50人呼んで「0円サマーキャンプ」を開催した。「実現したいことを真剣な態度で示せば、賛同してくれる人が現れる」。この時代の閉塞感を吹き飛ばすような発想に、共感する者も多い。

読売――
御園生涼子『映画と国民国家』(東京大学出版会、5000円)、評者・岡田温司。副題は「1930年代松竹メロドラマ映画」。昨日、ある集まりで、伊良子序さんの「昭和の女優」を巡る話を伺った。戦前の原節子の出演した「望楼の決死隊」などの話がでて、戦後の小津映画とは違った面が1つの話題になった。本書版元の紹介は「文化・資本が国境を越え流動化していった1930年代、映画はいかにグローバル資本主義と結びつき、国民国家を強化したか。『その夜の妻』『非常線の女』から『愛染かつら』まで、松竹メロドラマ作品を詳細に分析し、その物語に潜む政治イデオロギーを抉り出す。目次も、「『国民国家』の臨界点としてもメロドラマ映画」など興味あるテーマが並んでいる。評者は、その一端を「愛染めかつら」を取り上げて紹介している。典型的な「すれ違い」メロドラマだが、太平洋戦争前夜の大衆が、なぜ強く惹きつけられたのかを解き明かそうとしている。戦争へと突き進むことが至上命令となる一方で、民族・国家の起源神話を巡る回帰が求められる。その往還の「すれ違い」が時代の気分として重なる、そんな見方が提示されているようだ。
[ 2012/07/08 11:25 ] 三室勇 | TB(-) | CM(-)


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