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ことしの一推し 小川洋子『ことり』

 突出した作品の少なかった今年の文学界だが、一番の収穫はなんといっても、小川洋子の『ことり』に尽きると思う。12年ぶりの書き下ろし長編だ。小川洋子は『博士の愛した数式』『ミーナの行進』をはじめ、つねに社会の片隅で忘れられたような人々を主人公にしてきたが、そうした人々を注意深く見つめる小川洋子の目は本作でも健在だ。
 主人公は小鳥の小父さん。文字通り、幼稚園の鳥小屋を毎日掃除するのが仕事だった彼の死がはや作品の冒頭で告げられる。
 《小鳥の小父さんが死んだ時、遺体と遺品はそういう場合の決まりに則って手際よく処理された。つまり、死後幾日か経って発見された身寄りのない人の場合、ということだ。》
 小父さんには兄がいて、両親を早くに失った二人は孤児院で育てられる。物語は時間を巻き戻しながら進み、そんな過去がしだいに明らかになっていく。不思議なのは、兄は11歳のころから自分で編み出した言語しか話さないということだ。家族にもわからないその言葉をなぜか、弟だけが理解することができる。その兄は小鳥を愛し、小鳥のマークの入った「ポーポー」という名のキャンデーを愛した。兄が話す言葉はいつしか「ポーポー語」と呼ばれるようになるが、物語の中盤、兄はあっさりとこの世から姿を消してしまう。なんともいえない空虚感を残しながら、物語は進んでいく。
 人間の死は、それまで生きてきた時間を回顧するひとつの契機になる。この物語にはそんな哀切な時間が流れている。ちなみに、タイトルの「ことり」には小鳥以外にもうひとつの意味が隠されている。ここ10年をさかのぼっても、他に例のない文句なしの傑作だ。ぜひご一読を!
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[ 2013/12/28 12:36 ] 今西富幸 | TB(-) | CM(-)

メディアウオッチング「日隅一雄氏訃報について」:今西富幸

 市民によるウェブメディア「NPJ」を立ち上げ、東電問題を情報という観点から徹底的に追及した弁護士の日隅一雄氏が亡くなった。49歳の若さだった。
[ 2012/07/16 09:16 ] 今西富幸 | TB(-) | CM(-)

メディア・ウオッチング 「JR福知山脱線事故裁判について」:今西富幸

 本日の産経新聞朝刊に興味深い記事があった。「JR脱線あす7年 遺族アンケート」である。
[ 2012/04/24 10:30 ] 今西富幸 | TB(-) | CM(-)

メディアウオッチング 「山口県光市母子殺害事件判決について」:今西富幸

 山口県光市母子殺害事件の死刑判決が確定することになった。事件発生から実に13年の歳月を重ねた末の結論である。
[ 2012/02/28 08:33 ] 今西富幸 | TB(-) | CM(-)

メディアウオッチング「メディアリテラシーについて」:今西富幸

 かつて報道現場に携わった者として思うのだが、昨年は新聞読者にとっても「メディアリテラシー」の重要性が改めて浮き彫りになった年ではなかろうか。
[ 2012/01/17 14:36 ] 今西富幸 | TB(-) | CM(-)


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